西友、楽天との新しい協業策を発表! 大久保恒夫社長が語ったOMO戦略と西友の最新業績とは

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リアル店舗の
客層を拡大する

 大久保社長が説明する、西友が楽天との協力関係を強化する理由は大きく3つだ。

①楽天経済圏は会員数が多く、IDでつながっている。その経済圏にリアル店舗とネットスーパーを展開する西友が入ることで、より大きな経済圏ができる。
②楽天経済圏の客層と西友の既存客層が違うため、客層の広がりが見込める
③楽天は膨大なデータと、ビッグデータを分析して消費行動を理解するAIツール「Rakuten AIris(楽天アイリス)」を持っており、デジタルマーケティングを強化したいと考えている西友にとってメリットが大きい。

大久保社長
大久保社長は楽天グループとの協業強化で、デジタルマーケティング領域でも業界ナンバーワンの食品スーパーをめざす

 とくに客層の拡大について言えば、西友でもリアル店舗の客層の高齢化は深刻な課題となっている。20〜50代女性の顧客比率は、西友店舗ではわずか34%だが、楽天西友ネットスーパーでは73%を占める。このことから大久保社長は「今のリアル店舗の客層をネットスーパーとデジタルマーケティングで拡大していけば、企業を発展させられる」と説明する。

 21年3月に大久保氏をトップに据え、新たなスタートを切って以降、着実に成長を遂げている西友。楽天との新たなOMO施策により、デジタルマーケティング領域についても弾みをつけることができるのか、業界中が注目している。

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記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

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