2021年度決算で過去最高益を達成した国分グループ本社 成長のカギを握る「共創圏」拡大戦略

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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スタートアップやベンチャーとの提携を強化

 第11次長期経営計画の2年目となる2212月期では、引き続き長計の目標に掲げた「共創圏の確立」の推進に取り組んでいく。

 「共創圏」とは、バリューチェーン全域で、国分グループ本社が仕入先・販売先のみでなく、生産者、物流会社などの事業者や行政、生活者と従来の取引・取り組みの枠を超えて連携することで、新たな食の価値・事業創造をめざすネットワークのことである。今年度は共創圏パートナーとの協業を加速させ、「コト売り」による役務収益の増額をめざす。

 212月に資本業務提携を締結したヨシムラ・フード・ホールディングス(東京都/吉村元久代表取締役CEO)とは、同社の持つ「中小企業支援プラットフォーム」を活用し、地域メーカーの支援による共創圏の構築に取り組む。また、219月に資本業務提携に関する基本合意を締結したDATAFLUCT(東京都/久米村隼人代表取締役)とAIを活用した需要予測に取り組むなど、スタートアップやベンチャー企業との協業を活発化させていく。

 そのほか、今期は「顧客満足度の向上」「新シンプル業務KPIを基準としたバランスの取れた経営改善」「withコロナの働き⽅の確⽴」「地域ビジネスモデルの確⽴」などに注力していく。このうち、「withコロナの働き⽅の確⽴」では、「仕事における幸福度調査」を実施し、従業員個人の人生の価値観と会社の価値観を擦り合わせ、グループの人事制度を進化させていく。

 共創圏の確立について、國分社長は「各社がグループ内のSNSで自社の事例を発信している。従業員がグループ内他企業の取り組みを参考にできる“場づくり”が徐々にできている。このような取り組みでグループ内の化学反応が起こっており、これを社外にも広げていきたい」と話している。

 コロナ禍で既存のビジネスの先行きが見通せないなか、協業先を増やし従来の卸の枠組みにとらわれない取り組みを推進している国分グループ本社。長計で掲げている「コト売りによる経常利益比率30~50%」を達成するには、共創圏の構築による協業パートナーの拡大がカギになりそうだ。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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