日本リテイリングセンターが評価する、まいばすけっと1000店舗の現在地と展望とは
1000店舗の真価発揮はこれから!チェーンストアとして間違った経営努力をしていては、店数は増えない。まいばすけっとがこの17年間で4ケタ店数に達したのは、多店化につながらないことには目もくれず、チェーンストアとして正しい努力を実直に続けてきたからである。いま、その特徴について振り返ってみたい。
「身近にある便利な店」の営業対策
まいばすけっとはよく、スーパーマーケット(SM)とコンビニエンスストア(CVS)の売場を組み合わせた店だと紹介される。しかし、そうした観点でとらえると、このチェーンの実像はつかめない。
たしかに、多くの人が食べ続けるベーシックな品種で、なかでも高頻度で口に運ぶことが多いものに取り扱いを絞り、あとは酒とたばこを加えた品揃えという面では、CVSによく似ている。一方、生鮮品や日配が並ぶ陳列線と、各商品のプライスカードを眺めていくと、SMと同じ印象を受ける。
だが、そのような売場づくりがこのチェーンの本質であるとは言えない。同じことは、これまでも小型SMと呼ばれる数々の店に対して言われてきた。しかし、そうした小型SMの事例の多くは、数十店か百店を超えると精いっぱいで足踏みを始めてしまう。それに対し、まいばすけっとは今なお出店を止めず、多店化を続けている。
まいばすけっと多店化の理由は、同社がSMやCVSの品揃えをうまく取り入れることに力を注いできた点にあるのではないのだ。むしろ、他フォーマットとは違う独自の、便利さを提供する店づくりに挑戦してきた点にこそ、その理由がある。
他にはない便利な店づくりは、利用客から見た場合の、まいばすけっと最大の特徴だろう。

同チェーンは、都市住民の自宅のそばにある、気軽にいつでも利用できる食品買い物先として、厚い信頼の獲得に成功している。
これまで神奈川県と東京都のダウンタウンに集中出店を行い、新店であっても周囲の人々にとっては生活徒歩圏に何軒もあるおなじみの店として、躊躇なく利用できる環境を整える。都市部であれば同地域にCVSがいくつかあるのは当然だが、自宅に帰って15分程度で調理できる範囲の食材を主力商品とするまいばすけっとは、CVSとはまったく異なる目的で利用する、代替不能な店である。
むしろ
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