受注から完成まで5分以内! ローソンが実験するゴーストレストラン事業をレポート

2022/02/04 05:55
    大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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      コンビニエンスストア大手ローソン(東京都/竹増貞信社長)は1月27日、店内の厨房を活用した宅配調理事業、いわゆるゴーストレストラン事業に参入したと発表した。コロナ禍で拡大するデリバリー需要の取り込みを図る。実験店舗を訪れ、具体的な取り組みを取材した。

    「まちかど厨房」と
    デリバリー提携店を生かす

    ローソンが実証実験を行うのは、JR「飯田橋」駅から徒歩数分にある「ローソン飯田橋三丁目店」(東京都千代田区)
    ローソンがゴーストレストラン事業の実証実験を行う「ローソン飯田橋三丁目店」(東京都千代田区)

     ローソンが実証実験を行うのは、JR「飯田橋」駅から徒歩数分にある「ローソン飯田橋三丁目店」(東京都千代田区)。まずは都心部で需要があるのかを把握するべく、21年11月から1店舗で実験を開始した。

     ローソンは近年、大手競合チェーンとの差別化策として、店内に厨房を設置して出来たて総菜を提供する「まちかど厨房」の導入店を増やしてきた。その数は21年2月期末には約6400店、現在では約8000店まで広がっている。

     同じく最近、ローソンが進めてきたのがフードデリバリー事業者との提携だ。19年8月から国内のコンビニで初めて「Uber Eats(ウーバーイーツ)」と提携し、店舗で扱う約500品目を宅配するサービスを東京都の一部店舗で開始。その後、「Wolt(ウォルト)」や「DiDi Food(ディディフード)」など提携企業を計5社まで増やし、サービスの導入店舗数は 41 都道府県 2650 店まで広がっている(22年2月1日時点)。この数は競合の大手コンビニと比較してローソンが群を抜いている。

     今回の宅配調理事業では、この店内厨房とフードデリバリーとの提携を生かす。
    一連のサービスの流れはこうだ。「Uber Eats」などのアプリからのオーダーを、ローソン店舗が受け取り、注文メニューを厨房で調理し、デリバリー事業者の配達員が商品を届ける。
     受注後に調理を行うため、出来たての商品を提供することができ、ローソンにとっては、店内厨房の空き時間の活用にもつながる。

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    記事執筆者

    大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

    1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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