ユニクロがマネできない領域はここだ!アパレルの競争戦略とDXを成功に導く方法とは
DX成功の手法はこれだ
こうした本質論を踏まえ、DX成功の手法を書き綴れば、まず「デジタル・センスのないご老人」は、意思決定の場から抜けてもらうことが必要だ。できれば、30-40代の人間の中で優秀な人材を集め組織化する。30-40代若手は、逆に経営リテラシーが低いため、提案の技術やビジネスの基本的戦略論が弱い。したがって、彼らを導くコンサルタントと一緒に共同チームを作り、社長直下に組織を置いて、社長と頻繁に議論を繰り返して社長権限でデジタル戦略を作り上げる「デジマ隊」を組成する。
私が、丸井グループと取り組み、不滅の傑作「らくちんキレイパンプス」を世に初めて出したのもこの編成チームだった。私を含めたコンサルと今は役員だが、当時から有能だった同社の3人の社員、そして、某アパレルの社長候補で組織をデジマ化した。
我々は、徹底した調査を行い、ともに、イタリア、ベトナム、青島、北京、浅草、長田など世界の靴の産地を回り「絶対に勝てるシューズ」を開発した。今でこそ、コンフォートシューズはスタンダードになっているが、コンフォートシューズを世界で最初に打ち出したのは丸井である。
成功に導くポイントは、この「鉄でも動かない組織」に、「ここは担当役員Aさんの領域だ」という境界線を絶対につくらないことだ。
今、私はIFIビジネススクールで講師を務め、商社、アパレル、小売などの30-40代に対して最新の経営理論や私が考える未来像を教えるとともに、デジタルを使った新しいバリューチェーンの事業計画をつくらせている。私は、彼らが会社に戻り、本気でチームを再組成し社内ベンチャーでDX (デジタル・トランスフォーメーション)を行えるまで指導、支援をしてゆくつもりだ。これを読まれた経営者の方は、ぜひ4月に全講義を終了し会社で願い出た若者からの戦略を支援して頂きたいと心からお願いしたい。
デジタルベンダーの営業など100回聞いても、どれも同じだ。あなたたちが動かねば成功しないのだ。これこそ、DX成功の秘訣である。
プロフィール
河合 拓(経営コンサルタント)
ビジネスモデル改革、ブランド再生、DXなどから企業買収、
デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言
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