ユニクロがマネできない領域はここだ!アパレルの競争戦略とDXを成功に導く方法とは

河合 拓
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DX成功は、競争力強化が目的

DNY59/istock
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さて本題のDXに移ろう。その目的は、ユニクロはじめ世界のSPAと競争し、消費者から選ばれる存在になることだ。ユニクロやZARAの話をすると、「そんなでかい企業はうちとは違う」と皆が言う。「では、消費者に聞いて見ろ」と消費者調査をさせると、今の消費者は、ユニクロどころか、古着や激安韓国ブランドなどと上手に使い分けし高価なデザイン服も買っている。そして、ユニクロはg.u.やセオリー、スポーツ、ベビー服など、衣料品を全方位で展開し、競争のステージを広げている。「あそこは競合じゃない」と逃げているのは本人だけで、日本のアパレル企業はほぼすべて、ユニクロ g.u.に負けているのだ。こうした事実から目を背けるほどに業績は悪化していく。

競争戦略の基本は、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授の「ポジショニング」がしっくりくる。圧倒的なスケールで他の企業が追いつけないほどの低価格を牛耳る①「コスト・リーダーシップ」ポジション。そして、少ない資源を、特定の分野に集中する②「集中化」ポジション。全く違う商品(システムではない!!)で勝負する③「差別化ポジション」のいずれかだ。

ファッション業界でいえば、①はZARAH&M、ユニクロなど。②は、いまでこそ総合衣料になったが、MONCLERHERNOCANADA GOOSEなど、プレミアムダウンなら絶対に負けないという企業。日本で言えば、私は三陽商会のコートがそれにあたると思っている。彼らは、まず経営資源を自分がもっとも得意なところに集中し勝負をすべきだ。③は、Tokyo base だ。すべてMade in Japanは、ユニクロには絶対に真似できない。

 

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