セブン&アイは戦略的選択肢の検討を、米バリューアクトが要求

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米投資会社バリューアクト・キャピタルは日本のセブン&アイ・ホールディングスに対し、株主の懸念に耳を傾け、売却の可能性を含む戦略的選択肢を検討するよう求めた。取締役会に宛てた書簡を公開した。写真はセブン&アイのロゴ。2017年1月、都内で撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[ボストン 25日 ロイター] – 米投資会社バリューアクト・キャピタルは日本のセブン&アイ・ホールディングスに対し、株主の懸念に耳を傾け、売却の可能性を含む戦略的選択肢を検討するよう求めた。取締役会に宛てた書簡を公開した。

書簡では、セブン&アイは「戦略的に焦点が定まっていない」とし、「潜在能力を著しくアンダーパフォームしている」と指摘。「大胆な構造改革」を速やかに進めなければならないと訴えた。

セブン&アイ株主の間では同社の株価低迷に対する不満が高まっており、会社分割を求める声も一部で上がっている。

バリューアクトは書簡で「各事業、特にセブンーイレブンの競争力と業績の向上に必要なフォーカスを実現するため、事業部門および会社全体の所有構造について別の形を検討すべき」と指摘した。

その上で、取締役会に2つの要求を行い、2月上旬に予定されている次回の定例取締役会の後に、要求に対する公の回答を聞きたいとした。

バリューアクトは、セブン&アイの社外取締役1人以上が上位株主30社の運用担当者の「意見を直接聞く」よう要求。

また、社外取締役のみで構成する「戦略検討委員会」を設置し、「部門の売却やスピンオフ(分離・独立)または第三者との事業統合が、同社および株主により優れた価値と戦略的利益」をもたらすかどうか検討するよう求めた。

バリューアクトはセブン&アイの株式4.4%を保有する。多くのアクティビスト(物言う株主)と異なり、投資先への要求を公に示すのではなく経営陣と協力して取り組むことで知られ、今回の書簡公開は極めて異例の対応となる。

同社はセブン&アイと私的に協議してきたが、満足のいく反応が得られなかったとし、「独立した株主からの直接的かつ公的な意見なしに戦略的方向性を決定する経営陣の能力に対する信頼を失った」と説明した。

セブン&アイの年次株主総会で株主提案を行う可能性もあるとした。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は今週、セブン&アイの主要株主3社が、5月か6月に開催される見通しの年次株主総会で同社に会社分割を求める提案をすることを検討していると報じた。

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