2019年11月、英国のネットスーパー専業企業であるオカドグループ(Ocado Group)傘下のオカドソリューションズ(Ocado Solutions)と国内における独占パートナーシップ契約を締結したイオン(千葉県/吉田昭夫社長)。同年12月にはイオンネクスト準備(千葉県)を設立し、「次世代ネットスーパー」の本格稼働に向けて準備を進めている。その進捗と成長戦略をイオンネクスト準備のバラット・ルパーニ社長に聞いた。
CFC当たり実店舗の30~40店ぶんを稼ぐ
──日本のネットスーパー市場をどのようにみていますか。
バラット コロナ禍で人々の行動が不可逆的に変化し、消費者の食品の買物の仕方が大きく変わりました。このような世界的な傾向は日本でも同様です。従来は消費者が自ら店舗へ出向き、商品を手に取って品質や鮮度を目で確かめて購入するのが一般的でしたが、自宅にいながら安全に買物できるネットスーパーを利用する世帯数が増えています。
10年くらいのスパンで想定されていたECシフトがコロナ禍で一気に加速し、この2年ほどで実現されました。「いつでもどこでも買物したい」という消費者ニーズに対し、時間や場所の制約を受けないECには優位性があります。ECでの購買は今後も定着するでしょう。
──19年11月、イオンは「次世代ネットスーパー」を始動し「30年までにネットスーパー事業の売上高6000億円」という目標を掲げました。コロナ禍を経てこの目標に変更はありますか。
バラット 現時点ではその目標に変更はありません。その理由は、「顧客フルフィルメントセンター(CFC)」の建設には相応の時間を要し、受注キャパシティに制約があるからです。市場環境の変化や需要動向などをふまえながら事業の加速について検討していきます。
──初期投資が重いCFCモデルのネットスーパーをどのように収益化していきますか。
バラット 収益化には
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