ポイントは「味の統一」と「店長教育」 もうやんカレー成長の秘訣

2022/01/31 05:55
    吉田典史
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    1997年、創業者であり代表取締役社長の辻智太郎氏が25歳でカレー店激戦区の新宿でオープンした「もうやんカレー」(東京都)。現在は新宿、代々木、渋谷、新橋、池袋、赤坂、横浜などに12店舗を構えている。創業期から安定成長を続けてきたが、決して店舗拡大を急がなかった。辻社長に店舗展開の独自の考えやノウハウを聞いた。

    ― もうやんカレーの業績ならば、現在30~40店舗を構えていても不思議ではないと思いますが、現在の規模にしている特別な理由はあるのでしょうか。また、多店舗展開をするうえでの基本的な考えをお聞かせください。

     店をさらに増やそうと思えばできたのでしょうが、実は店舗拡大に重きを置いてはいないのです。1997年の創業当時から、もうやんカレーは「2000年続くお店」を目標にしているので、まずは多くのお客さんに認められ、従業員や業者さん、地域の人たちに愛される存在になるほうが大切です。売上や利益も目先ではなく、もっと先を見たうえで考えるようにしてきました。いかに長く支持をされるかを大事にしているのです。

     2号店をオープンしたのは、1号店で働いていた優秀な従業員が退職した後「また働きたい」と戻ってきた際に彼のポストがなかったからです。それで1号店(新宿)のそばに2号店を構え、店長に抜擢したのです。もう、20年程前のことになります。

    ― 売上などの業績はいかがでしたか?

    辻 当初イメージしていた以上の売上でした。例えば、1号店だけの時にランチ(午前11時半~午後2時半)の1日の売上が、仮に100万円だとします。2号店をオープンした後しばらくは半分の50万円になるだろう、と思っていました。双方のお店は数百メートルしか離れていません。

     ところが、開店すると1号店は多少減ったものの、80万円をキープしました。2号店は、1か月目から80万円。2店舗合わせると、160万円。1号店だけの時が100万円だとすると、60万円が増えたことになります。ランチに限って言えば、3時間でお客さんが2回転半ぐらいはしてほしいところです。その目標も開店後すぐにクリアできました。夜の時間帯も含めると、2店舗の合計の売上はさらに増えました。

     想像以上にお客さんが増えたのには様々な理由があるのでしょうが、カレーソースの味を変えなかったことや店長以下、スタッフがスムーズに動く仕組みやシステムが早いうちから機能していたことがある、と考えています。

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