職人の味を損なうことなく店舗拡大を加速 「のれん分けの進化系」で躍進するラーメンチェーンの強さとは

油浅 健一
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目指すのは世界制覇とインフラ企業

 好況時に大増殖したいわゆるフランチャイズが仕組みやマニュアルありきで拡大し、景気が低迷すると苦境に陥ったのに対し、同社の“進化系のれん分け”は、やる気と食材ありきのいわば必然の拡大であり、似て非なるもの。この違いがそのままコロナ禍での明暗につながっているのは間違いないだろう。

ギフト中期経営計画
ギフト中期経営計画

 中計で発表された3年後の2024年10月期の売上目標は250億円。21年10月期の倍近い数字となっている。そのための施策として同社が掲げるのは、店舗増を軸とした「事業拡大」と「新業態の開発」。そして、標準化、単純化、DXの推進などの「変革」だ。

 今年はコロナ禍でも浅草、渋谷などに新規出店するなど、ピンチをチャンスと捉えて積極的に投資を行った同社。コロナ禍では時短営業による売上減少こそあったものの、緊急事態宣言が明けた10月以降は一気に回復、消費者の同社の味へのニーズは旺盛だ。 すでに同社はロサンゼルス、ニューヨークへ出店しているが、海外展開では1000店舗という大目標を掲げている。今期までに直営店・プロデュース店を合わせ、455店舗となった国内も同様に1,000店舗を目指す。

 「目指すのはラーメンのインフラ企業」というように、同社はラーメン店の存在を極限まで高めることをゴールに据える。そのために「世の中に必要とされる企業でなければ実現できません。地元の人に愛され、地元に根付くお店でありたい。その土地になくてはならない存在になりたい」と田川氏は熱く語っている。

 コロナ禍で淘汰された企業に、どれだけ「愛」があったのか…。人との接点が希薄なり、デジタル化が加速する中で、ラーメン愛にあふれる経営者が率いる同社が躍進を続けるのは決して一過性のものではなさそうだ。

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