関西スーパー争奪戦ついに決着! 抗告棄却後の会見でオーケー二宮涼太郎社長が語ったこと

小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)
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関西スーパーマーケット(兵庫県:以下、関西スーパー)とエイチ・ツー・オーリテイリング(大阪府:以下、H2O)の経営統合をめぐり、オーケー(神奈川県)が統合手続きの差し止めの仮処分を求めていた問題で、最高裁判所は14日、オーケーの許可抗告を棄却すると決定した。これにより、H2O傘下のイズミヤ(大阪府)、阪急オアシス(大阪府)は、正式に関西スーパーと経営統合することになる。同日、オーケーはオンラインで記者会見を開き、二宮涼太郎社長がコメントを発表。最高裁の決定を受け、二宮社長は何を語ったのか。

最高裁の決定後、オンライン会見に臨んだオーケーの二宮涼太郎社長

経営統合は断念も、関西進出には意欲

 「大変残念だが、最終的な司法のお考えを真摯に受け止めている」

 14日に開催した記者会見の冒頭で、オーケーの二宮涼太郎社長は淡々とした口調でそのように述べた。2021年9月3日にオーケーが関西スーパーへの買収提案を発表して以降、3カ月以上続いた“関西スーパー争奪戦”はH2Oの勝利というかたちで幕を閉じた。

 オーケー側は今後、関西スーパーに対するTOB(株式公開買付)の提案を再び行うことはないとし、12月15日以降の株式交換の効力発生後、買取請求権に基づき、保有するすべての関西スーパー株式を同社に売却する。売却価格について、二宮社長は「相対で交渉し、最終的に決めたいと考えている」とコメント。オーケーは9月のTOBに際に1株当たり2250円を提示したが、いくらで売却されるのかが注視される。

 会見の質疑応答では、今後の関西での事業展開についての質問が多く寄せられた。質問に対し、二宮社長は「今回の件を通じて、関西の多くのお客さまから出店してほしいというメッセージをいただいた」と述べ、引き続き関西市場への進出を模索する考えを示している。オーケー単独での進出となるか、それともほかの食品スーパー企業との提携となるかについての質問には「色々な選択肢がある中で真剣に検討したい」(二宮社長)と回答、進出時期についても「明日以降、できるだけ速やかに検討していきたい」として明言は避けた。

売上高4000億円超の関西SM連合が誕生へ

 今回の最高裁の決定を受け、15日以降、H2Oと関西スーパーは株式交換により正式に経営統合する。関西スーパーは22年2月に発足する中間持ち株会社「関西フードマーケット」に商号変更し、新事業会社の関西スーパーマーケット、イズミヤ、阪急オアシスの食品スーパー3社が傘下にぶらさがる体制となる。これにより、単純合算で店舗数240店超、売上高4000億円以上の関西エリアでは最大規模となるSM連合が誕生する。

 2016年にオーケーが株式を取得して以降、5年間にわたり大株主として関わってきた関西スーパーへの思いについて質問が及ぶと、二宮社長は「経営陣、従業員の方々には、ぜひこの統合を成功に導いていただきたい」とコメント。また、「堅実なオペレーション、お客さま思いの売場づくりなど、(関西スーパーは)まだまだ私どもが勉強できるお相手だと感じている」(二宮社長)とし、「経営統合は叶わなかったが、切磋琢磨してお互い発展していきたい」と述べた。

 注目されるのはオーケーの「次の一手」だ。前述のとおり、オーケーは今後も関西進出を模索する方針を示している。二宮社長のコメントにもあったように、首都圏で絶大な支持を得ているオーケーに「関西にきてほしい」と願う消費者は少なくないはずだ。

 次なるM&Aか、自力進出か。関西スーパー株の売却益を手にすることになるオーケーが取れる選択肢は多い。足元では、20年9月に関西進出を果たした神奈川県を本拠とするディスカウントスーパーであるロピアが着実に勢力を拡大中だ。ロピアは進出から1年と少しで7店舗まで店舗数を増やしている。首都圏地盤のスーパーマーケットが関西エリアでも成功できるという前例はすでにできていると言っていい。引き続き、関西小売マーケットの勢力争いが業界の話題の中心になりそうだ。

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