商圏人口を増大するために取り組む、「3つの目的来店性」とは何か?

有田英明
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人口減少、高齢化と少子化、人手不足、競合激化、ネット販売の急伸といった時代の大きな流れを把握したうえで、次の時代に向けての戦略構築が求められている。ウエルシアホールディングス(以下、ウエルシア)の立地戦略、業態戦略を私なりの考えで分析する。

食品&雑貨の強化

 ウエルシアの業態コンセプトは「ハウスキーピングニーズのワンストップショッピングストア」である。ハウスキーピングニーズとは日々の生活を豊かなかたちで維持するという需要概念であり、消耗品、小型品、低単価品が多いといった特徴がある。

ウエルシアの店内
ウエルシアは郊外の生活者を対象として、お客のハウスキーピングニーズの生活をカバーし、そしてカテゴリーMDに取り組んでいる

 ハウスキーピングニーズの中心核になるのが「ヘルスケア」と「ビューティケア」である。この2つは生きていくうえで欠かすことができない商品なので「生存的商品」である。

 そしてヘルスケアとビューティケアと同じような生存的商品として、「食品」もある。とくに人口減少時代はマーケットが大きな食品は欠かせない。

 創業当時、多くのドラッグストア(DgS)は菓子を展開するぐらいで、食品の扱いは限定的だった。しかし客数を増やし、来店頻度を向上するためには食品の強化が必要になった。

 食品にはいろんな分類方法があるが、3分類するやり方がある。第一は「素材」である。肉、魚、野菜といった商品であり、創業当時のDgSは扱えなかった。第二は「完成品」で、総菜、弁当、おにぎりといった商品。これも創業当時のDgSは扱えなかった。第三は「半完成品」であり、インスタント食品、冷凍食品、レトルト食品、乾麺、日配などである。DgSはこの半完成品から、お客の食生活のカバーに取り組んだのである。

 DgSの食品売場は、もともとは集客が目的だったので、

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