ワークマン「WEB限定のキャリーバッグ完売」に見る、BOPIS導入と「顧客の棲み分け」戦略とは

湯浅大輝
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実店舗でも、顧客の「棲み分け」を進める

ワークマンプロ
2021年12月2日、板橋にオープンした「ワークマンプロ」

 BOPIS導入によるEC拡大は、ワークマンの今後の営業戦略にもマッチする。新商品群をオンラインで販売することで売場面積を確保し、本来集中すべき商品を店舗で確実に売ることができる。そうして、実店舗では、プロワーカー、カジュアル層、女性のターゲットごとにビジネスを展開し、既存ワークマン業態からの転換を含め、ワークマン200店、ワークマンプラス900店、ワークマン女子400店の計1500店舗出店を目指す。

 「近年、カジュアル層への商品の拡充が、当社の成長を牽引してきました。一方で、売場が一般の方でごった返してしまい、現場作業員のお客さまから不満が上がっているのも事実です。業態別の店舗を展開することで、この課題を解決したいと思っています」(柏田氏)

 現在、同社は3業態の店舗を運営している(①プロ向けの「ワークマン」632店、②プロ+カジュアル層向けの「ワークマンプラス」272店、③カジュアル層向けの「ワークマン女子」2店※2020年度末)。向こう10年間でカジュアルの比率を高めるが、現場作業で生計を立てるプロ顧客が多い立地については、「ワークマンプロ」を展開し、一般層が買わないような特殊な商品を販売し、顧客の棲み分けを狙う。売場の混雑解消につなげるほか、ターゲットが異なる業態を展開することで、これまでよりも密な店舗展開が可能になる。

 その先駆けとして、2021122日には、板橋に「プロに特化」した商品を陳列する「ワークマンプロ」を出店。カジュアルに注力してから取りこぼし気味だった、若いプロワーカーに向けて、スタイリッシュな商品も展開する。

 ニッチ層向けの商品をECで販売し、カジュアル層、女性向けの店舗のさらなる拡大を目指すワークマン。しかし、あくまで同社のコアバリューは「プロが認めた機能性」にあるという。

製品開発部長
製品開発部長の柏田大輔氏

 「カジュアル層への人気の高まりも、煎じ詰めると、当社の商品の機能性が優れていたことにあります。プロが使っていて、一般の方も普段から使用できる、といった位置づけのアイテムをこれからも販売していきたいと考えています」(同)

 BOPISや、ターゲットごとの店舗出店など、新たな取り組みを進めるワークマン。販路開拓によって、近年抱えていたEC、売場面積の確保などの課題を解決しようとしている。

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