Zホールディングス(東京都/川邊健太郎社長:以下、Z HD)傘下で、事業所向けの通信販売事業や一般向けECサイト「LOHACO(ロハコ)」を展開するアスクル(東京都)。コロナ禍の2021年5月期では過去最高業績を達成し、22年5月期~25年5月期の中期経営計画の目標達成に向けて弾みをつけている。同社の最近の取り組みや今後の戦略について、吉岡晃社長に聞いた。
過去最高業績を達成
──21年5月期の全体感について教えてください。
吉岡 21年5月期は、売上高4221億5100万円(対前期比5.4%増)、営業利益139億2300万円(同57.8%増)、経常利益138億5000万円(同60.0%増)、当期純利益77億5800万円(同37.2%増)と過去最高の業績を達成しました。中核の「BtoB事業」では、在宅勤務の普及によりオフィス用品の需要が大きく減少しましたが、その一方で消毒液やマスクなど、新型コロナウイルス感染対策関連の商品が大幅に伸長しました。
当社のBtoB事業の顧客はいわゆる「エッセンシャルワーカー」が多く、医療・介護をはじめ、製造業や物流業、建設業、小売業など幅広い業種のお客さまを抱えているのが特徴です。このようなお客さまに支えられ、オフィス用品の需要減をカバーすることができました。また、当社は「エシカルEC」を標榜し、長年、厳しい品質基準をクリアした商品をお客さまにお届けし続けてきました。このような信頼の積み重ねも相まって、業績は好調に推移しています。
──直近の動向はいかがですか。
吉岡 22年5月期第1四半期も引き続き好調でした。昨年の反動でマスクや消毒液などの衛生用品は落ち込みましたが、前期の数値はクリアしており、営業利益は過去最高を更新しました。ただ、今後の業績への影響として全世界的に起こっているサプライチェーンの分断は注視しています。当社には、
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