[REPORT]Pパレット
適切な管理と利用を啓発しパレット回収率100%をめざす

2018/11/01 00:00
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Pパレの不正使用について気づきを与える啓発活動強化

 

──Pパレを不正使用している企業に対し、どのように返却を促すのでしょうか?

板垣 Pパレが当初の目的外で使用されている場合には、その企業にPパレの返却を求め、さらに返還交渉を行ったにもかかわらず引き続きPパレを不正に保有、使用する事業者に対しては法的措置を実施しています。15~16年に法的措置は2件ありましたが、どちらも訴訟という形にはならず、和解という形で決着がつき1万枚強のPパレが回収されました。17年は1件の訴訟がありましたが、こちらも勝訴の形で決着しています。近年はPパレ共同使用会の認知度が向上したことで、不正使用に関する情報を寄せてくれる企業も出てきています。

 

──不正使用にはどのようなケースがあるのでしょうか。

板垣 店舗では在庫商品の整理や陳列台として転用するケースが多く、ホームセンター(HC)ではガーデニング用品や植木鉢、ペーパー類などの商材を並べるのに使われていることがあります。近年はHCでも飲料や酒類を扱う店舗が増えていますが、普段食品をメーンに扱っていない業態であるため、Pパレに対する意識も食品スーパーなどに比べて低いのが現状です。他にも倉庫の風よけに使用されたり、ひどい場合はパレットをカットし、囲いに使用するといったケースも見られました。

 

──直近では市場関連での未回収という問題も浮かび上がっています。

板垣 はい。加盟社の流通ルート以外の回収については日本パレットレンタル(JPR社)に委託しているのですが、未回収の約6割が市場関連となっています。これまでは青果市場で多く見つかっていたのですが、最近では水産の市場でもPパレが不正使用されているケースがありました。

 

──Pパレの不正利用の原因はどんなところにあるとお考えですか?

板垣 パレットは木製であることも多く、とくに海外の木製パレットは廃棄前提でつくられています。物流、流通、卸、そして市場の現場では、さまざまなパレットが混在しているため、多くの場合、Pパレを「不正使用している」という認識はなく、またPパレを返却しなくてはいけないという仕組みを理解していないケースがほとんどです。そのためPパレと他のパレットとの違いを根本的に理解していただく必要があると感じています。

 

──Pパレの不正利用の課題解決に向け、どのような取り組みをされていますか?

板垣 Pパレ共同使用会では課題解決に向け、Pパレの不正使用や未返却に対し気づきを与える啓発活動を推進しています。流通関係者向けの専門媒体に加えて、日本農業新聞や農経新聞、水産系の新聞社など、市場関係者向けの媒体や物流関係者向けの媒体にも啓発広告や記事を出稿しています。

 

──今後どのような取り組みに力を入れていきたいですか?

板垣 より多くのメーカーさまに加盟していただくことで、環境負荷の低減とパレット管理・利用の省力化に貢献すると同時に、啓発活動の推進によりPパレの不正使用の防止と回収率向上につなげていきたいと考えています。

 

──貴重なお話をありがとうございました。

 

 

クレオ
衛生と安全・安心をテーマにパレット洗浄機シェア№1へ
洗浄機から洗浄剤、システム開発まで総合サニテーションを提案

さまざまなニーズに合わせた洗浄機を開発

 

 商品を運ぶために必要不可欠であるパレットやコンテナ。クレオはパレット用の洗浄機を中心に、ニーズに合わせたさまざまなタイプの洗浄機を開発する業界シェア№1企業だ。また洗浄機以外にも、食品工場の洗浄と殺菌を保つ洗浄剤や殺菌水、洗浄システム等のソフト面の製品も数多く取り揃え、総合サニテーションを提案している。

 メーカーから物流センターや卸企業へ、そこから各流通企業へと移動するパレットには、「砂・泥・ほこり」をはじめ、「虫の巣」「黒ずみ汚れ」「バイキン・カビ」「汚水・水濡れ」など、さまざまな汚れが付着している。年々、クリーン化・品質向上が求められる生産や物流の現場において、クレオのパレット洗浄機はその効果を十分に発揮できるハードといえるだろう。

 

導入後のアフターケアも万全

 

 同社のパレット洗浄機は、フォークリフトで投入すると自動で1枚ずつ洗浄機に投入する「段ばらし」、大量の水で一気に洗うことでパレット全体に付着した汚れを除去し、さらに回転ブラシで落としにくい汚れを一掃する「洗浄」、高速回転の遠心力でパレットに残っている水分を飛ばす「脱水」、常温または高温のエアブローでパレットに残った水分を乾燥させる「乾燥」、洗浄・乾燥を終えたパレットを所定の段数に積み上げる「段積み」の5工程に分かれる。現在クレオでは1時間当たりの処理能力が30枚から180枚のものまで充実したラインアップを持つ。

 パレット洗浄機は長期間使用する機械であるため、クレオでは導入前に実機による洗浄・乾燥度合いの確認テストを行うほか、業界№1のメンテナンス体制で、導入後もきめ細やかなアフターサービスを実施している。

 

1時間で60枚の洗浄を可能にしているクレオのパレット洗浄機「60枚/h 処理ライン」
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