[プロユース]カジュアル志向に対応すると同時にワーク専門店としての品揃えで差別化
日本安全靴工業会
日本プロテクティブスニーカー協会
「災害時に着用する活動靴(防災靴)」について二次災害を防ぐためのガイドラインを制定
靴底の耐踏抜き性能など必要な性能項目を表示
日本安全靴工業会と日本プロテクティブスニーカー協会は共同で今年3月21日、「災害時に着用する活動靴(防災靴)についてのガイドライン」を発行、および「防災用踏抜き防止中敷規格:2018」を制定した。
ここ数年、大規模な自然災害が頻発している。今回制定されたガイドラインは、災害が発生した後実施される被災地での救助、がれきなどの撤去、現場調査、被害家屋の清掃・後片付け、災害発生後の帰宅、被災地などを通って行う活動に使用する靴(防災靴)について、必要性能、着用方法および取り扱い上の注意事項をガイドラインとして明確にし、誤った使用を防止し、足部を二次災害から守ることを目的とする。
このガイドラインでは、防災靴に必要とされる性能や性能規格、構造などを定義している。たとえば必要な性能項目として、
①重量物の落下・圧迫に対するつま先部の防護性能
②靴底の耐踏抜き性能
③靴底の耐滑性能
を掲げている。
以上3つを必須性能としているが、そのほか耐水性能、甲被の耐切創性能、防寒性能(低温熱伝導性能)の3つをオプション性能として挙げている。
同時に防災用踏抜き防止中敷の団体規格を制定
一方、防災用踏抜き防止中敷についても、災害用途として供出の要請があり協会が中心となって随時対応してきたが、市場に存在する多くの踏抜き防止中敷は、性能規格がないため、災害発生後の使用用途に対して十分な性能を有していない製品も散見される状態だった。また使用サイズが限定されることや形状的に合わない場合があること、厚すぎるものはつま先部の耐衝撃性、耐圧迫性に影響を与える場合があるなど、必ずしも防災用途に向かない場合もあった。
こうした状況を受けて今回、日本安全靴工業会と日本プロテクティブスニーカー協会は、防災用途に適合する踏抜き防止中敷の仕様を整理するため、共同で技術委員会を設け、検討を重ねてきた。
制定された防災用踏抜き防止中敷規格では、定義、種類、性能、形状および構造、サイズ、踏抜き防止板の材質・寸法・性能などが定義されている。
現在、一部HC店頭でも、災害時に着用するのに適した靴を店頭展開している例も見られるが、今回のガイドライン制定によって、よりわかりやすい基準が明確になったことになる。
コーコス信岡
カーゴパンツやトップスのヒットで「グラディエーター」ブランドが大きく飛躍
「G-カーゴ2」で多様な着用シーンを提案
コーコス信岡(広島県/信岡映子社長)は、カジュアル志向が強まるトレンドの中で、ヒットブランドの秋冬向け新商品をさらにブラッシュアップ。デザインや着心地などで新コンセプトを導入するだけでなく、機能性の面でもさまざまな提案を行っている。
同社の人気ブランドとして大きく成長した「グラディエーター」シリーズについては、従来の「G-カーゴ」をさらに進化させた「G-カーゴ2」というコンセプトで新商品を多数投入している。
「G-カーゴ」は、カーゴパンツのブランドとして、ワークとカジュアルの垣根を越えた自由度の高いトップスとの組み合わせや着こなしが可能であることから、大きなヒットシリーズとなった。
新シリーズでは、着用シーンや好みに合わせて選べる「スタイリッシュ」「ミリタリー」「クロスオーバー」「ワイルド」など、異なるタイプのデザインを揃えたほか、よりオールラウンドな「G-ボトム」を発売。いずれもウエスト部分にナチュラルストレッチを組み込むことで、はき心地をさらに進化させるなど、シルエットやデザインだけでなく、機能面にもこだわった商品だ。
コンセプトの核を維持しながら、スペックアップを図り、カラーバリエーションの定番色についても、トレンドに合わせて微妙な変化を取り入れるなど、細部にまでこだわった仕様となっている。
「G-スポルト」でも新タイプをラインアップ
同じく「グラディエーター」ブランドのトップスである「G-スポルト」は、値ごろ感のある価格設定に加え、ワークウエアとしての機能性と、カジュアルテイストのデザインが人気を集め、近年の商品では最も早く販売数10万点を突破する大ヒットに。
これを受けて、秋冬商品としては「防風ストレッチフーディー」を発売。既存のワーク用防風素材にはない、ソフトな風合いと薄さを実現。加えて、ストレッチ性、機能的な袖ポケット、夜間の視認を高める反射テープ等、機能性にも優れ、ワークからスポーツ、カジュアルまで幅広い着こなしが可能。この冬のマストアイテムになること間違いなしの逸品だ。
以上のほか、アメリカのワークブランド「ディッキーズ」については、昨年大きなリニューアルを実施して商品ラインアップを強化。中でも素材や製法の進化によって着心地を向上させたストレッチデニムなどが好調な売上を維持している。このほか、ファン付ジャケットやソックスについても、パフォーマンスにこだわった高品質な商品を展開。
同社独自の商品開発力を背景に、ユーザーに対して仕事向けだけではなく、幅広い用途にも使用出来る可能性と多様な選択肢を提供することで、変化する市場への対応をいっそう強化していく方針だ。
■自由度の高いブランドを展開
ワークとしてのこだわりは維持
専務取締役 平川隆氏
おかげさまで「G-カーゴ」「G-スポルト」がヒットし、「グラディエーター」ブランドの認知度が上がっています。市場のトレンドとしてカジュアル志向が継続しており、ワークウエアはタウンウエアとの垣根がなくなりつつあります。その中で、店舗から「カーゴではなく、スラックスタイプを」との強い要望を受けて開発したのが新発売する「G-ボトム」です。
また、トップスシリーズの「G-スポルト」も好調で、いまや年間商品に成長しています。ワーク仕様なので機能性に優れ、丈夫である上に、仕事以外のシーンでも着用できるカジュルア要素も盛り込まれています。
こうしたブランドを店頭で差別化していくための売場提案にも力を入れていきます。シリーズ商品のラインアップをわかりやすく展開するマネキン陳列や、「グラディエーター」のロゴ入りLEDサインの支給など、ブランドを確立させ、ブランドの“空気”が持つよさや、着用シーンなどの“コト”訴求を提案しています。
成長中の「グラディエーター」と、従来の人気ブランドである「ディッキーズ」は当社の2本の柱であり、ワークウエアとしての品質にこだわり続けてきました。これらをより強固に確立していきたいと考えています。