コンサルタント会社に勤める友人の夫人が「旦那の帰りが遅い」と嘆いていた。
「午前2時~3時は当たり前。帰宅してちょっと休んでは、また出かけていくんだから、ブラック企業もいいところ。労働基準法なんてあったものではないわ」。
「コンサルタント=いつも忙しそうに働いている」というのが私の常識になっていたので、その友人に具体的にどんな仕事をしているのか尋ねてみると、「ほとんどが資料づくり」なのだという。
なぜ、そんなに資料ばかりなのかといえば、クライアントとの会議で出た質問や要望を一旦会社に持ち帰り、それに答えるためにつくっているためだ。
ただ、同じコンサルタントでも“敏腕”といわれる人はちょっと違うようだ。
もう20年余り付き合っている某コンサルタントに聞くと、「(会社に問題を持ち帰らずに)会議の場でどんどん発言し決めてしまう」のだという。
「そうしないと身体がいくつあっても足りないから」。
ただ、さまざまな質問や要望をシミュレーションして備えるから、会議前には時間をかけている。その結果、定時とは言わないまでも2時間ほどの残業をすれば毎日帰れるのだという。
友人の午前様の原因は、その場で決められない力不足にあったのだ。
確かに私事を振り返っても、議長の力不足で何も決まらない会議ほど効率の悪いものはない。