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旧態依然の商品政策は通用しない

「家電製品の発達と普及によって食生活が変わり、食品スーパー(SM)も変わってきた」。

 と言うのは、サミット(東京都)の田尻一社長だ。

 

 田尻社長は数字を示しながら続ける。

「電気冷蔵庫の普及は1965年~1975年にかけてグンと進んだ。これにともないビールの消費量はうなぎのぼりで上がっていった」。

「電子レンジの普及は1985年~1990年にかけて。冷凍食品の消費量が大きく伸びた」。

 

 さて、ここで田尻社長から問題です。

 テレビ放送の地上デジタル化(2011年)前後の薄型テレビの普及にともなって、SMでは売れなくなった商品があります。

 それは何でしょう?

 

 

 答えは「鏡餅」。とくに大きなものは売れなくなったという。

 理由は、鏡餅の置き場であったブラウン管テレビが駆逐されたから――。

 

 そして、この話の結論は、家電はもちろん、それを利用する生活者や市場は常に変わっているのだから、旧態依然とした考え方(商品政策)は通用しない、ということになる。