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ネットスーパー オイシックスの店舗戦略

 有機野菜などの食材宅配ネットスーパー企業、オイシックス(東京都/高島宏平社長)は、「Shop in Shop(ショップインショップ)」と呼称する店舗を合計22店舗展開している(2015年11月10日現在)。

 

 食品スーパー(SM)の青果売場の中に、同社の商品を扱う小さなコーナーを設けるというもので、2012年に東急ストア(東京都/須田清社長)の店内からスタートした。コーナーの規模はまちまちだがSKU数は約20だ。

 オイシックスの目的は、商品販売はもちろん、オイシックスを知らない人たちへの広告宣伝活動にもなっている。

 

 現在は、東急ストアのほか、クイーンズ伊勢丹(事業会社は三越伊勢丹フードサービス〈東京都/内田貴之社長〉)、京成ストア(東京都/佐藤賢治社長)、イオンリテール(千葉県/岡崎双一社長)の4社に展開。近いうちに紀ノ国屋(東京都/桑原健社長)にもコーナーを設ける予定だ。

 2015年9月の売上を取り出してみると、対前年同期比で62%増(店舗数11店舗→17店舗)が図られた。「同じ店舗を比較すると対前期比で20~30%伸びている」(高島社長)という。

 

 売上好調の理由は、販促物や什器をリニューアルしたこと。取り扱う商品の選定とプライシングを見直したこと。店舗展開する企業と連携を深め、品出しなどの売場メンテナンス体制について十分に話し合い機会ロスをなくしたこと。スーパーバイザー機能を強化したことなどだ。

 

 「ショップインショップ」にはインターネットとのシナジーがあるということで、同社のお客が多く住んでいるエリアには積極的に店舗展開する意向だ。

 具体的には東京都を中心に千葉県、埼玉県、神奈川県など。さらには、名古屋や大阪、福岡への展開も視野に入っている。

 すでにこれらのエリアからは、出店要請があるそうだが、「1店舗だけだと物流費が合わないので、出店する際には10数店舗を一遍にやりたい。まずは首都圏中心」と高島社長はコメントを出している。

 「東横線、京成線、JR中央線という具合に鉄道沿いに出店していきたい。今後は新しいSM企業と提携するよりは、すでに提携している5社の中で店舗数を増やすことを優先したい」と高島社長は目を輝かせる。