平和堂(滋賀県/夏原平和社長)は2016年2月期第2四半期(2Q)決算を発表した。
連結の営業収益は2151億3500万円(対前期比5.5%増)、営業利益は72億5000万円(同5.5%増)、経常利益は76億9800万円(同8.0%増)、四半期純利益は46億9500万円(同6.9%増)の増収増益。そのすべての数字が過去最高を突破した。既存店舗(単体)も同2.1%増と好調だった。
好調の象徴のひとつは、同社の中国事業である「平和堂(中国)有限公司」だ。
現在、中国湖南省に五一広場【ごいちひろば】店(長沙市)、東塘【とんたん】店(長沙市)、株洲【かぶしゅう】店(株洲市)、AUX(奥克斯【おっくす】)広場店(長沙市)という百貨店4店舗を展開している。
ビジネスモデルは有力テナントを誘致して、売場を貸すというもの。同社が担当するのはレジ、保安、店員教育、本部のバイイングなど限られた業務だ。
2Qの業績(円ベース)は、営業収益214億9500万円(同22.7%増)、経常利益12億4200万円(同41.8%増)、当期純利益9億3400万円(同43.0%増)と高成長。主力の五一広場店と改装した株洲店が好調に推移。為替も好業績を後押しした。
中国事業は、売上高では全社の10%ほどだが、当期純利益は同約20%を稼ぎ出している。なお、元ベースでは、それぞれ、同3.9%増、同20.2%増、同21.2%増となっている。
ただし、手放しで喜んでばかりもいられない事情もある。
ここにきての株価の急落や2度の爆発事故など、中国の国内情勢は不安定ともみられるからだ。
しかしながら、夏原社長は「いまのところは、そんなに心配していない」と一蹴した。
「既存店舗(元ベース)は、2015年1月~6月までが対前期比3.8%増。株価が急落した6月は同0.4%減、7月は同2.6%減、8月は同5.0%減だった。苦戦の理由は、平日の売り上げ減少が大きく、週末は前年並みだ。景況の“様子見”をしているようで、日本のような節約モードには入っていないとみている」(夏原社長)。
しかも1号店の五一広場店の前には地下鉄が開通。土日には約20万人が乗降する駅で、売上は、さらに増加している。
そして中国は10月の「国慶節」、11月には同社の「創業祭」や「光棍節」を経て、翌2月の「春節」に向けて消費が一挙に活発化する傾向にあり、同社にとってはフォロー風になるはずだ。
ただ、同社としては、それでもタガを緩めることなく、「企画を増やして備えたい」(夏原社長)と自戒のコメントを忘れていなかった。