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味の素冷凍食品が1349億円の「炒飯市場」に注目

 味の素冷凍食品(東京都/吉峯英虎社長)によると、冷凍食品市場は、2008年度から2014年度までの7年間で24%増と大きく拡大。市場規模は7276億円に達している。

 その内訳は、食卓市場が4303億円(対2008年度比34%増)、弁当市場が2377億円(同10%増)、凍菜が596億円(同19%増)だ。

 

 中期的には成長し今後の成長も期待される冷凍食品市場ではあるが、この3年間に限ってみると、購入率、購入者当たり購入個数の伸長率低下により、市場の成長は鈍化傾向にある。

 

 この原因は、①メーカーの情報発信不足、②ヒット商品の不在、③量販店の販促手法の転換などが挙げられる。特に③量販店の販促手法の転換は、「5割引」「4割引」といった常軌を逸した値引き販売をやめたこと、またリーチインケースを導入しての販売によって、消費者と小売業の関係が疎くなっているようだ。

 

 その一方で、しっかりと情報発信をして、消費者の「今すぐ食べたい」「やってみたい」という気持ちを刺激すれば、売上は伸びるという。

 

 たとえば、味の素冷凍食品は、売れ筋ナンバーワン商品の「ギョーザ」で、TVCMを大きく打ち、店頭での普及活動(158社、3800店舗)を実施した結果、購入率は21%も伸びた。

 

「非利用者に冷凍食品のユーザーになってもらい、さらにファンになってもらうための施策を推進している」(味の素冷凍食品 執行役員 マーケティング本部 家庭用事業部長 岡本達也氏)。

 

 その中にあって、味の素冷凍食品が注目しているのは冷凍炒飯だ。

 冷凍炒飯は冷凍米飯市場690億円(対2009年度比24%増)の中で最大カテゴリー。冷凍米飯市場は冷凍炒飯の299億円(同27%増、構成比43%)、ピラフの217億円(同9%増、同31%)、その他174億円(構成比26%)で構成される。

 

 一方、「炒飯市場」は、家庭内の「手作り炒飯」が600億円、「外食炒飯」が450億円。これに冷凍炒飯を加えると1349億円に上る。

 

 今秋、味の素冷凍食品が満を持して発売するのが「焦がしにんにくのマー油と葱油が香るザ★チャーハン600g」だ。「シンプルな具材で炒めた香り・味・風味が味わえる」ことが最大の特徴。味の素冷凍食品は、「具だくさんで具材由来の味・風味が楽しめる」既存製品である「具だくさん五目炒飯」とともに冷凍食品市場ことに冷凍炒飯の活性化に努める。