6月26日、ドン・キホーテ(東京都/大原孝治社長)は、千葉県成田市に「MEGA ドン・キホーテ成田店」(以下、成田店)を開業した。
成田空港から車で20分という立地から、インバウンド強化店と位置付けられ、店舗中央に多言語に対応するスタッフを配置した免税カウンターを設置したり、外貨での精算サービスを可能にしたりと見どころ満載――。
なかでも訪日外国人客に人気の商品を集めた免税コーナーがひときわ目を引き、とくに入り口右側で展開する「緑の菓子売場」(私が命名)にはびっくりさせられる。
テレビ東京の人気番組『YOUは何しに日本へ?』の中でよく取り上げられているように、日本のお菓子、とくに抹茶風味のお菓子は訪日外国人からの人気が絶大であり、帰国の途に着いた観光客にバッグを開けてもらうと、中からはごろごろと出てくる。
こうした人気や従前からのリサーチ情報をもとに、成田店では「緑の菓子」の大量陳列売場をつくった。
3尺3本4段の上段から見ていくと、「京抹茶チョコレート」(明治)、「和織り抹茶」(江崎グリコ)、「カントリーマウム宇治抹茶」(不二家)、「ポッキー和ごころ宇治抹茶」(江崎グリコ)。3段目には、「ルックロイヤル薫る宇治抹茶」(不二家)、「リッチ抹茶ビスケット」(明治)、「ポッキーかさね抹茶」(江崎グリコ)。2段目には、「アルフォート宇治抹茶」(ブルボン)、「抹茶コロン生クリーム仕立て」(江崎グリコ)、「トッポ抹茶ラテ」(ロッテ)。下段には、「濃い抹茶サブレ」(森永製菓)、「クランキー抹茶」(ロッテ)、「ルック宇治抹茶」(不二家)で構成。よくぞこれだけ集めたものだ、と目を丸くすることしきりだ。
ちょっと遠目から見れば、棚は「緑色」の世界だ。
さらに主通路に向いて独り鎮座し単品大量陳列で、大物感を醸し出しているのは、大人気の「キットカットミニ 大人の甘さ抹茶(袋入り)」(ネスレ日本)だ。ドン・キホーテは、ネスレ日本との連携で“爆買い”に耐えうるだけの商品量をしっかり確保している。
通常の食品スーパーや総合スーパーは、分かっていても、ここまで大胆な売場づくりはなかなかできないものだ。
実際、競合する隣接店では、同じような取組をしているのだが、「緑の菓子売場」は、成田店ほどのインパクトがなかった。
そして、そんな風に「緑の菓子売場」を眺めてみれば、いまさらながらに、ドン・キホーテの売場づくりの大胆さと徹底ぶりに感心させられる。