「暑さ寒さも彼岸まで」。
ということは、“冬料理”の象徴である「鍋」も、そろそろシーズンオフを迎える。
では、2014年度の「鍋」市場は、どうだったのだろうか?
富士経済(東京都)によると、2014年度の「鍋つゆ」市場の規模は338億円(見込み)で対前年度3.4%増と堅調に推移している。
「2013年度の「鍋キューブ」(味の素)のヒットによって、個食対応の濃縮・希釈対応商品が数多く発売され、各社販促を強化したことで市場は続伸となった」(富士経済)。
実際、エバラ食品工業の個食対応商品「プチッと鍋」は好調。2014年度は、タレントの観月ありささんを2年連続でCMキャラクターに起用し、大きく売上げを伸ばした。
注目は、Mizkanの「〆まで美味しい鍋つゆ」シリーズだ。2014年度も「〆まで美味しい 海鮮だし塩鍋つゆ ストレート」「〆まで美味しい 濃厚鶏白湯鍋つゆ ストレート」「〆まで美味しい 蟹風味チゲスープ ストレート」を新発売し商戦に備え、「実績は前年比で二桁台の大きな伸び」(富士経済)を達成した。
一方、ファミリーパウチはどうか?
別の調査によれば、こちらは対前年度比0~1%増で着地しそうだ。
鍋の3味種【みしゅ】は、「寄せ鍋」「ちゃんこ鍋」「キムチ鍋」と言われ、どのメーカーも商品を販売している。
このカテゴリーは、競争も厳しく市場もダウントレンド気味での推移を余儀なくされている。
それを補うべく、「とんこつラーメン」「グリーンカレー」「トマト」「餃子」「豚しゃぶ」「軍鶏」などの新味種を続々と投入することで何とか市場を維持しているのが現状なのだという。
さて、「個食」「新味種」と来たところで、鍋市場拡大の次のテーマは何かを考えるときに、やはり「健康」の切り口は欠かせないだろう。
肉・魚・野菜をバランスよく摂取でき発汗作用もある鍋は、健康食品と言っていい。
それだけに「ウエルネス鍋」のような商品の開発をぜひ待ちたい。
もうひとつは「通年」だ。
「冷房の効いた部屋が当たり前だから、夏でも《おでん》が売れる」と喝破したのは、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼CEO――。その延長線上には、「夏鍋」があるかもしれない。
※3月26日記:大変、大変申し訳ありません。期末でばたばたしています。BLOGは今週いっぱいお休みさせてください。次回の更新は3月30日(月)です。誠に申し訳ありません。