昨日の続きです。
「第35回サミット新商品人気コンクール」入賞企業感謝式では、消費者モニター代表から部門ごとに表彰盾が手渡された後に、第1位を獲得した企業の代表者があいさつをする形がとられた。
その中で、菓子部門で第1位に輝いた菓子卸売業の高山(東京都)の富永孝之社長のコメントが面白かったので紹介したい。(談:文責・千田直哉)
「受賞した企業はアッシュ(東京都/高山時光社長)であるのに、なぜ高山の社長が登壇するのかと不信に思われている方もいるかもしれない。アッシュは、高山の商品開発を担う企業であることをまずお伝えしたい。『キャラメル&チェダーチーズポップコーン』は、そのアッシュが開発した商品だ」
「2013年2月に米グルメポップコーンのギャレットポップコーンショップスが原宿に1号店を出店した。当時の日本のポップコーンは、塩味か塩バター味くらいのバリエーションしかなく、価格的には100円前後だった。しかし、ギャレットの一番人気のある商品『シカゴミックス』はLサイズで900円だ」
(注)「シカゴミックス」は、「キャラメルクリスプ」フレーバーと「チーズコーン」フレーバーという人気の2単品をギャレットポップコーンショップスの店頭でミックス。キャラメルの奥深い甘さとチーズの濃厚な味わいのハーモニーが特徴。
「ギャレットのポップコーンは、日本のものとは、種類も価格もはるかに違っていた。アッシュの担当者は、この商品をもっと安く提供できないかと思案し、開発をスタートさせた。しかし、キャラメル味とチーズ味のポップコーンミックスを1社で製造できるメーカーは2年前にはなかった」
「そこで考えたのは、キャラメルポップコーンを本場の米国から輸入すること。チェダーチーズ味は日本でもおいしい商品をつくれるということで日本のメーカーに製造依頼。それらをミックスしてパッケージすることはまた別のメーカーに任せた。つまり、アッシュが3社のノウハウをうまくつなぎ合わせた。これまで我々は、メーカー1社完結型で製品をつくっていたが、3社を活用して1つの製品をつくりあげたわけだ。かなり斬新な手法と自負している」
富永社長の話から分かったのは、アッシュの「キャラメル&チェダーチーズポッポコーン」の製造には合計4社が関わっていること。3社の得手とする技術やノウハウを取り込みながら自らはプロデューサーに徹し、ヒット商品をつくりあげた手法は、オリジナリティがモノを言う今後の流通業界内で流行するような気がする。