先日、ある地方で1080円の商品を購入した。
ふだんは、レシートと売価を照合することなどほとんどないのだが、帰宅後にたまたますり合わせてみると、その商品の値段が1382円と記載されていた。どうしたものかと購入したお店に電話を入れてみた。
「誤りがあるかもしれない」旨を話すと、「商品名」とレシートに記されている「レジ番号」「レシート番号」を聞かれた。
その後、一旦、電話を切り、10分ほど待っていると、店長からコールバックがあった。
「確かにお客様の言う通りでした」とミスを認め、丁寧に詫びた上、「これから自宅に行きたい」と言う。
都内在住であることを説明して、訪問を固辞すると、店長は「では、差額を現金書留ですぐに送ります」と言って電話を切った。
その2日後には、差額の302円と電話代として100円、誰でも読める大きな文字の詫び状の3点が届いた。送料は522円だった。
詫び状には、今回のミスの原因と対策までしっかり記されていた。
小売業は、本当に大変な商売だと改めて実感する。
100%正確なことが当たり前だからだ。
しかし、ミスとは、シックス・シグマの世界でも100万回中数回は起こるもの。しかも、ミスが起こった途端に、これだけ煩雑な処理に当たらなければいけない。
巷では、相変わらず“モンスタークレイマー”が幅を利かせているようだが、意図してミスを犯す企業や人間はいない。
そのことを知ったうえで、もう少し、寛容に受け止めてほしいと切に願うのである。