「変化への対応と基本の徹底」。四谷のセブン&アイ・ホールディングス(東京都/村田紀敏社長)の本部受付にも掲げてある同社の理念だ。ダーウィンの進化論にあるように、この世で生き残るのは最も強い種や最も賢い種ではなく、最も変化に対応できる種である。だからこそ、同グループは、セブン‐イレブンやヨークベニマルを中心に朝礼朝改も辞さず、自己否定と自己破壊を繰り返し、着実に成長を遂げてきた。
そのことを目の当たりにしてきた流通業界のなかにあって「変化対応」を広言しない企業はほとんどないと言っていい。「お客様や市場、競合は常に変化しているのだから、それに対応しなければいけない――」。これは、どの経営者も必ずや口にする常套句の一つになっている。
ところが、そう言いながらもA社やB社やC社のように旧態依然とした店舗や売場をつくり続けている企業は少なくない。規模の大小はあまり関係なく、それなりの規模になっている企業にも散見できる。なぜ、そんなことが起こってしまうのか? 突き詰めてみると、口では「変化対応」を謳うものの、経営者が心底からは変化を愛していないためだろう。つまりは、経営者が変化に対応できていないというところに行き着く。
『チェーンストアエイジ』誌2014年9月15日号
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