年長の友人が山形から自宅にさくらんぼを送ってくださった。
ところが、あいにく細君は旅行中、私は『チェーンストアエイジ』誌2014年7月15日号の下版作業の真っ只中にあり、宅配の時間内に帰宅することが難しい。
「どうしようか?」と不在票に目を通すと、生モノだからだろう。コンビニエンスストアに転送しての受け取りはできないことが分かった。
翌朝、宅配業者さんに相談しようと考え、不在票をジャケットのポケットに突っ込んで、出社した。しかし、締切の慌ただしさに、荷物のことなどすっかり忘れていた。
そこに突然、登録していない番号が現れ、ケータイが鳴った。
「○○社の者ですけど、チダさんですね?」。
「そうですけど…」と訝しがって答えると、宅配便のセンターからだという。
生モノを預かっているが、今日明日の何時なら自宅にいるかという確認だった。
仕事で会社にいなければいけないので深夜帰宅になってしまう、と事情を説明した。
業者さんは、そういうことなら勤務先に転送してあげると言ってくれ、会社の住所を聞いてきた。ただし、さくらんぼを販売した店舗に、明日まで日持ちするかを確認ができればの話だという。
数分後に再度、業者さんから電話があり、「(販売店に確認したところ)大丈夫だったので明日の午前中に会社に転送する」とのことだった。
そして、昨日(=7月3日)の朝、さくらんぼは無事会社に届き、仲間とシェアしておいしく食べることができた。
感謝この上ないことだ。
ただ、私にとっては、願ったり叶ったりであっても、宅配業者にとっては、明らかなオーバーサービスだ。
こういうことが日常、普通に行われているのかどうかはわからないが、大手業者といえどもこれでは儲からないだろう、と心底申し訳なく思った。