メニュー

真面目で情熱があると…

 本日のBLOGは、ある経営者から伺った話を紹介したい。

 一般的には“よい”とされる人間の性質も、ビジネス上は必ずしもプラスに作用しないかもしれない、という内容だ。(談:文責・千田直哉)

 

「ビジネスマンとして“真面目”であることはプラスにこそなれマイナスではないはずだ。“情熱”があることだって同じだ。だから、《真面目でかつ情熱がある》人間に仕事を任せれば、実力をいかんなく発揮し、かなりの実績を残すことができる」。

 

「ところが不思議なもので、《真面目でかつ情熱がある》人間は、何か大きな問題に直面して判断をしなければならなくなると、視野狭窄に陥り、周囲が見えなくなってしまう傾向がある。たとえば、面前に立ちはだかる関門を突破するに当たっては、関門しか目に入らなくなり、中央突破しか考えられなくなってしまうのだ」。

 

「しかし、その時の選択肢は中央強行突破だけではない。上を見上げれば空があり飛び越えられるかもしれないし、下を見下ろせば土があり掘ってみることも考えられる。さらに丸い地球を逆回りすれば、相手の背後に回ることだってできる。『押してもだめなら引いてみな』とアドバイスしたいが、《真面目で情熱がある》と関門しか目に入らなくなり、その結果、失敗してしまう」。

 

「人の悩み事というのも同じようなところがある。《真面目で情熱がある》人ほどドツボにはまりやすいものだ。一歩身を引いて他人のケースを観察してみたり、状況を俯瞰するなど大胆な観点を持てば、違うものが見えてくるものである」。