「競争が人を育てる。だから、社内では、積極的に競争をさせるように仕向けている」とおっしゃっていた経営者がいた。
なるほど。確かにその通りで、「あの人しか知らない」というような業務の“独占”状態は、長期的な観点に立てば、当人にも企業にもプラスには作用しない。
そして、もし「競争が人を育てる」とするならば、必要なのは余剰人員である。
たとえば、野球部員が9人、サッカー部員が11人のキツキツだったら、全員がレギュラーになるしかなく、部内に競争意識が芽生えることはほとんどないだろう。
自分のレギュラーの座が奪われるかもしれないという危機意識があってこそ、部員は従来以上に練習するようになっていくはずだからだ。
ということは、余剰人員を抱えることは、必ずしも組織にとってムダとは言えない。
むしろ、活用方法が問題だ。
もちろん、この考え方がすべてではないし、業種や業態、また考え方によっても色々と違いはあるのだろうが、コストカットのための人員削減だけが必ずしもベストの経営とは言えないこともわかる。
※明日は出張のためBLOGをお休みします。次回の更新は6月2日、月曜日になります。