消費税が増税されてから早1ヶ月あまり。
そんな中で、「あれっ、安いなあ」と売場で立ち止まり、目を疑ったことはないだろうか?
とくに感じるかもしれないのは、「本体価格表示」を導入している小売業の店頭だ。
従来105円(税込)だった商品が100円(税抜)と表示されている。
だから、5%下がったように見える。
脇に小さく108円(税込)とあっても、そこまではなかなか読まずにスルーしている。
明らかに錯覚に過ぎないのだが、これって大変なことなのではないだろうか?
それというのも、2004年4月以降、税込の総額表示が義務付けられたものの、今回は、消費税転嫁対策特別措置法(2013年10月1日~2017年3月31日)によって、表示規則が一部緩和されているからだ。
お金を支払うまでは、値下げのように感じている人もいるはずだ。
だからというわけではないのだろうが、食品小売に限って言うなら、当初予想されていたような大きな《買い控え》《駆け込み需要反動》に見舞われることなく、4月は対前年比5%減前後で推移したところが多かった。
もちろん、そんな錯覚に頼るだけではなく、その影では、流通業界の涙ぐましい努力もある。
例えば、菓子メーカーは従来、2月~3月にかけて新商品を発売していたが、2014年はあえて4月にずらした企業が少なからずあった。
4月の菓子売場には、消費者の先入観や相場感のない新奇な商品が加わり、対前期比7%増を遂げた企業もあった。
こんなサクセスストーリーを目にすると、気になってくるのは2015年10月に予定されている消費税2%アップだ――。
もう、備え、対策を打ち始めた方がいいのかもしれない。
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