頼まれて講演をすることがある。
講演と講演の間隔が詰まっている時は、なんのことはなく講義をこなすことができる。
ところが、前回の講演との時間がかなり空いて、久しぶりの時には、ものすごい緊張感に襲われる。開始からしばらくは、どうにもならずにガチガチで臨んでいることも少なくない。
同じような緊張感を味わうのは、テニスの試合の時だ。
これも試合と試合の間隔がそんなに離れていなければ、シングルスとダブルスの違いはあるものの、すんなりとゲームに入っていける。
しかし半年以上も空いてしまうと、地に足が着かないようなフワフワした状態になり、自信のなさもあいまって、落ち着かない。第1ゲームを落としてしまいがちになり、いきなりピンチを迎えてしまう。
「先発ピッチャーが中5日以上あくと、かえって緊張する。アメリカは投球制限をしながら中4日で先発ピッチャーを回しているけれども、それはメンタリティの側面が大きい。仮に6日休んでしまうと、精神的におかしくなってしまう」と話すのは、400勝投手の野球評論家、金田正一さんだ。
超一流のプロ野球の選手でさえ、長いインターバルの中でメンタル面をキープすることは難しいということを聞き、「私だけではなかったのか」とちょっと安心。また、何かをコンスタントに行うことの大事さを実感させられた。
ただ、そのことを理解し、間隔を短くしたからと言って、講演やテニスが実力以上にうまくなるわけではないから気を付けなければいけない。