福岡・天神に誕生した「五感で泊まる」個性派ホテルの哲学とは?
2025年4月24日、福岡・天神の中心に新たなホテル「ONE FUKUOKA HOTEL (ワンフクオカホテル)」が開業した。手がけたのは、個性派ホテルやレストランを全国に展開するPlan・Do・See(プランドゥーシー、東京都/浅葉翔平社長)。建築・デザイン・サービス・採用すべてにわたって独自の空間づくりとサービス哲学を貫き、唯一無二の体験価値を提供することで高い評価を受けている。ワンフクオカホテルのゼネラルマネージャーを務める同社の髙畠隆広氏に、新ホテル立ち上げの背景や、空間・人づくりへのこだわり、今後の展望を聞いた。
五感に訴える「まちに開かれたホテル」

西日本鉄道(福岡県:以下、西鉄)が再開発を進め、福岡・天神再開発事業の中核を担う複合ビル「ワンフクオカビルディング」。その最上部2フロアを占めるのが「ワンフクオカホテル」だ。「長きにわたって地元の方々からも愛されるホテルを作りたい」との想いを共有し、西鉄グループからプランドゥーシーに声がかかったのがスタートだった。
髙畠氏は「西鉄もホテルを展開されているが、今回は“まちに開かれたホテル”をつくりたいというビジョンがあった。その中で、当社が福岡で手がけたWITH THE STYLE(ウィズザスタイル)、THE LUIGANS(ザ・ルイガンズ)という2つのホテルの実績を評価いただいた。地域に根ざし、人が集いたくなる場所づくりにこだわってきたからだと思う」と話す。
そうして誕生したワンフクオカホテルは、福岡・天神という都市のど真ん中にありながら、いざ一歩足を踏み入れると、街の喧騒を忘れるような心地よさに包まれる。その秘密は、プランドゥーシーが一貫して追求する“五感設計”にある。
「空気の流れ、音、光、風の通り道、素材の肌触りまで意識している。たとえば、シーリングファンで“動き”を出すことで安心感が生まれ、客室には必ずテラスや開放的な窓を設けることで風が吹き抜け、自然の気配が感じられる設計になっている。さらに、テーブルの高さも1cm単位で調整し、感覚的な心地よさを追求している」(髙畠氏)