観光客はまだ知らない! 京都・四条大宮の老舗中華そば店の意外な名物メニュー

2025/06/06 05:10
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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京一本店の意外な名物とは…

 「中華そば京一本店」の創業は1948年(昭和23年)。王将1号店がオープンした1967年(昭和42年)の20年近くも前から同地で営業している。

 私が店に到着したのは午後12時半。昼食時ということもあり、店内はほぼ満席だったものの、運よくすぐに座ることができた。さっそくメニューを手に取ったが、実は入店前から決めていた一品がある。それはこの店の名物「カレー中華」だ。久しぶりの訪問ということもあり、「うどん・そば各種に+180円でセット可能」という「かやくご飯」も一緒に注文した。

メニューを開けたが、最初からなにを注文するかは決めていた
メニューを開けたが、最初からなにを注文するかは決めていた

 店内を観察すると老若男女、幅広いお客が食事をしている。観光客というよりも、地元民の比率が高い印象を受ける。京都は和食のイメージが強いだけに、あえてカレー中華を求める層を考えると、この顧客構成も納得できる。

 待つこと約10分、いよいよその一品が運ばれてきた。

名物のカレー中華とかやくご飯(1180円)
名物の「カレー中華」と「かやくご飯」(セットで1180円)

 どうです、おいしそうでしょう。食欲を刺激しまくるルックスだ。

 以前は、麺の上にカレーがただ載せられているだけの印象だったが、最近はネギや牛肉が後から盛り付けられるようになり、見た目が格段によくなっていた。経営者の家族と見られる女性に質問したところ、「写真映え」を意識し、数年前に盛りつけを変更したらしい。確かに、現在の盛り付けの方が多くの人の心をつかみそうである。

 さて、割り箸を取り、麺をつかんで持ち上げる。

カレーがしっかりと絡んだ麺はずっしり重い
カレーがしっかりと絡んだ麺はずっしり重い

 カレーがしっかりと麺に絡んでおり、その重みに驚かされる。少し冷ましてから麺をすすると、口の中に濃厚なカレーの風味が広がった。うん、おいしい!

 京都の料理はあっさりとした味わいと言われるが、このカレー中華はけっこう濃い。甘みをベースとしながらも、後からくるスパイシーさが絶妙なバランスを生み出している。これは、セットで頼んだかやくご飯が進むというものだ。どんどん食べ進め、辛いのであっという間ではなかったがすぐに完食。ごちそうさまでした。

絶妙なおいしさで、かやくご飯が進む
絶妙なおいしさで、かやくご飯が進む

 みなさんも京都へ来る機会があれば、四条大宮、そして「中華そば京一本店」に立ち寄ってみてはどうだろうか。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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