以前、このBLOG内で紹介したように、米国の食品スーパーマーケットの分類は、
●食品スーパー(THE SUPERMARKETS)
・Supermarket-Conventional
・Supercenter(grocery &mass merchandising)
・Supermarket limited assortment
・Supermarket Natural/Gourmet Foods
・Warehouse grocery
・Military commissary
●食品スーパー以外の食品販売フォーマット(OTHER FOOD RETAIL FORMAT)
・Conventional Convenience
・Gas Station /Kiosk
・Superette
・Conventional Club
・Military Convenience Store
と、専門誌の括りを見ただけでも、これだけある。
そこで思い出したのが、学生の頃に読んだ『アラビア遊牧民』(朝日文庫:本多勝一著)である。
著者は「どの民族にとっても生活に密接に関わる物の名前は、こと細かく言い換えられている」と記し、「遊牧民にとってラクダは特別な存在である。年齢によって、性別によって、細かく呼び名が変わる。日本の出世魚と同じである。エスキモーは雪をその質や状況によってさまざまに呼び変える。日本では雨の呼称がたくさんある」と実例を挙げている。
確かにその通り。日本の出世魚の代表格であるブリの場合は、成長具合によってワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと呼び名が変わっていく。北陸地方では、ツバエリ→コズクラ→フクラギ→アオブリ→ハナジロ→ブリとさらに細分化される。
食品スーパーマーケットも、きっと同じことが言えるのだろう。
日本よりも米国の方が、より生活に密着している。だから呼び名も多岐にわたっている――。
イオン(千葉県/岡田元也社長)の岡田卓也名誉会長は、「日本の流通業はまだ変わりますよ。特に変わるのはスーパーマーケットでしょうね。これ、先進国と比べれば、天と地の差があります」とインタビューの際に強調していた。
確かにその通り。日米間の格差は、呼称ひとつとっても、まだまだあると思わざるをえない。
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