テニスなどのスポーツというのは不思議なもので、自分よりもうまかったり、強かったりする人たちと練習していると、自然とそのレベルに慣れてきて、上手になっていくものだ。
もちろん、まったく才能がない場合は論外であるし、上級者の中に入っていく場合、初めのうちはグーの音も出ぬ程にコテンパンにされ続けなければいけないので、本人にとっては厳しく苦しいことだ。
しかし、ある一線を超えることができれば、実力は確実に向上している。
逆に、同じレベルの人間が寄り集まって、長時間にわたって一生懸命、練習を繰り返しても、それ以上のスキルやパワーはなかなかアップしない――。
そんなことを考えていたら、仕事の場というのも同じような気がしてきた。
「地位は人をつくる」と言うけれども、以前に増してランクアップした仕事の場が実力向上につながったというケースは枚挙に暇がないほど多い。
そして、「若い時の苦労は買ってでもせよ」というのは、こういうことを指してのものなのだろうと納得させられた。