京都・寺町、明治時代創業の老舗飲食店で味わう人気メニュー「田舎そば」
地元民に愛される老舗「永正亭」の「田舎そば」
私がこの店に来るのは大抵が昼時で、暖簾をくぐると十中八九、数人が並んでいる。利用しているのは観光客というよりも、半数以上が地元民との印象。食事を済ませるとすぐに店を出る人がほとんどだから、回転がはやくすぐに座ることができる。この日も、ほんの数分待つだけで従業員のお姉さんに案内された。

店は横幅が狭い一方、奥に長い、京都ならではの典型的な「うなぎの寝床」の形状。私は一番奥、厨房の手前の席に座った。すぐにメニューを手にとり、何を食べるかを検討し始めた。

毎回思うが、このお店、ものすごくリーズナブルなのだ。「生そば450円」、「あんかけ470円」「ざるそば570円」など、値上げが相次ぐ時代にあっては、そのありがたさが光り輝きまくっている。
最終的に選んだのは人気の「特田舎そば 天ぷら入830円」である。選んだと書いたが、実は、悩みに悩んだ挙句、大抵これに落ち着く。毎回、新しいメニューにチャレンジしようと思いつつ、踏み切れない。いつか自分の背中を押してあげたいと思って早何年。なお一緒に来た知人は「カレーうどん620円」を注文した。

7〜8分が経過し、私の目の前に置かれたのがこれ。どうです、おいしそうでしょう。テーブルにある割り箸を手に取り、麺を少しつかんで口へ運ぶ。うん、おいしい。何ともいえない優しい味が口いっぱいに広がる。続いてえびの天ぷら。さくさくした衣の食感が最高である。どんどん食べ進み、そして完食、大満足である。
知人が注文したカレーうどんの写真もアップしておく。店内を見回すと、これを頼んでいる人も多く、隣席の若い女性も食べていたことをお伝えしておく。

なおこの永正亭、ネットで調べると創業は明治23年(1890年)との情報が結構出てくる。店の公式サイトがないため、真偽のほどはわからないが、かなりの老舗なのだろう。明治23年に起こったできごとを調べると、第1次山県有朋内閣の下で、第1回帝国議会が召集された年とある。
京都の街を散歩し、歴史に触れた後にここで食事をするのも味わい深い体験だと思う。
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