昨日のBLOGで第一報をお知らせしたように、ウォルマートの次期CEO(最高経営責任者)には、現:国際事業CEOのダグラス・マクミロン(47)氏が就任することに決まった。
後出しじゃんけんのようでいまさら言うのもずるいような気もするが、この人事について、私は、ウォルマート関係者に予言していた。
「次期CEOは、ダグさんですよね!」。
関係者にとっては、全く知る由もないことであり、当然のように明確な回答は得られなかったが、私にはいくつかの根拠があった。
第一に、『チェーンストアエイジ』誌に、長く「アメリカントレンド」を連載してくださっている鈴木敏仁(R2リンク代表)さんが小誌記事の中で「次期CEOは、ダグ・マクミロン氏が最右翼」と書いていたことだ。
それを念頭に事業部ごとの説明会と株主総会に参加するとさらに根拠となるような発見があった。
まず、事業部説明会だ。ダグ氏は、キャッシー・スミスCFO(最高財務責任者)とたった2人で臨んでいた。世界26カ国に64の屋号で6148店舗を展開し、1352億ドル(約13兆5200億円)の売上を計上する事業の責任者がわずか2人で世界各国から集結した100人弱の記者陣の前に立ち、厳しい質問に答えたのだ。
他の事業責任者(国内、サムズ・クラブ、Eコマース)が4人以上で臨席したことと比較すると、ダグ氏の担当事業に対する精通度と自信を垣間見ることができた。
もうひとつは、株主総会の中で、ダグ氏とマイク・デューク現CEOが2個3ドルのゴムボールを使ってコントのような小芝居を演じていたことだ。2年連続のことであり、前年は、インドでのコカ・コーラの飲み方のひとつ「マサラコーク」を2人で紹介したのだという。それだけ、現CEOに可愛がられているように見えた。
ということで、先ほどの「次期CEOは、ダグさんですよね!」という発言に至ったわけである。
ただ、この次期CEOをめぐるレースの勝者を当てたところで何か特別にいいことがあったわけではなく、結果の解説とあっては聞く価値もないだろう。
そのことを承知の上で、あえて本日今から、ダグ氏の次のCEO予想を開始してみたい。