イチロー選手や松坂大輔選手、ダルビッシュ有選手、黒田博樹選手など、日本プロ野球の超一流選手がメジャーリーグに次々と流出する中にあって、日本のプロ野球が小粒で面白くなくなったと言われて久しい。
日曜の朝の顔。「喝!」でお馴染みの張本勲さんは、批判の急先鋒の1人だろう。
確かにそれはあるところ的を射ている。
「西鉄ライオンズ、日本シリーズ3連敗から稲尾の4連投4連勝」「金田正一対長島茂雄 デビュー戦4打席4三振」「張本勲の3000本安打」「868号の本塁打王、王貞治」「世界の盗塁王、福本功」「江夏の21球」「江夏のオールスターゲーム9人連続三振」「野茂VS.清原」など、記憶にも記録にも残る、名試合があり、名選手がいた。
オールドファンは、そのことを常に懐かしむことができるほど話題には事欠かなかった。
名選手がいれば、それに立ち向かっていくライバルが現れ、手に汗握る名勝負も存在した。
だから、往年のプロ野球ファンが「そんな名選手は今の野球界にはほぼいない。いい選手は、メジャーリーグに流れ、小粒な選手ばかりがチマチマと野球をしている」と言うのもわからなくはない。
だが、果たして本当にそうだろうか?
そんなことはない、と私は思う。
実際、2013年のシーズンは、田中将大選手というシーズン中に一度も負けない最多勝投手がいた。
1)同一シーズン24連勝
2)前季からのレギュラーシーズン28連勝
3)ポストシーズンの2勝を加えた30連勝
実に『ギネスブック』の3カ所にその名を刻んだ。
10年後、30年後の未来から今シーズンを振り返れば、「凄いのなんのって。ここ一番の火の玉ボールに打者はバットさえ振れなかった」と誰もが思い出に浸るのではないか?
国民栄誉賞の授与についても同じことが言えるのだが、われわれは、現役選手や生存している人間の価値を低く見がちだ。
だから引退や死去した後で、「偉業だった」と評価をくだすわけだが、マー君の活躍を見るにつけ、もっと手放しで今を楽しみ、感動する必要があるんじゃないかと思う。
※出張のため明日11月29日のBLOGはお休みします。次回の更新は12月2日(月)になります。