「リユース」と「賃貸不動産仲介」。接点がありそうで、なさそうな業界最大手同士が協業をスタートさせた。かたやブックオフコーポレーション(以下、ブックオフ:神奈川県/松下展千社長)、こなたエイブル(東京都/梁瀬泰孝社長)だ。エイブルが仲介・管理する賃貸マンションなどに居住するお客にブックオフの子会社が書籍や洋服などの買取サービスを提供する。
「なるほど!」と膝を打った方も多いはず。エイブルの賃貸仲介に引越しはつきもの。引越しには書籍や洋服の廃棄はつきもの。廃棄する前にブックオフに一報を、という流れだ。同業他社が地団駄を踏んで悔しがるアイデアがイノベーションだとするならば、この協業は大きなイノベーションと言っていい。
「リユース」のもう一方の雄、ハードオフコーポレーション(新潟県/山本善政社長)も目からウロコの新ビジネス「リカーオフ」を東京都の高円寺純情商店街で開始した。飲む予定のない酒、飾りと化しているハードリカー、ワインセラーに眠る不要なワイン…またバカラグラスなどの酒器を買取り、販売している。
2つの事業が軌道に乗るかどうかは分からない。けれども素人目に見ても熟考に熟考を重ねた形跡があり、成功を予感させる。小売業だって負けてはいられない。
『チェーンストアエイジ』誌2013年11月15日号