われわれファーストリテイリングはグローバルカンパニーになるための取り組みを続けている。
われわれは、「グローバルワン 全員経営」をモットーとして掲げ、グループ全体が一つの会社となり、世界で最高最適の方法であらゆる業務に取り組むことを実践。一人ひとりが経営者感覚をもって、仕事を推し進めることを目指している。
その実現のためには、最高の人材を採用し、教育とトレーニングを施し、グローバルな視点で革新的な仕事をする人材を育てる必要がある。だからこそ、世界中どこでも現地の事情をよく考えた同一基準の採用と処遇、グローバルにキャリアアップする人事制度を導入しなければならない。
この「グローバルワン 全員経営」を支えるために、すでにニューヨーク、パリ、上海、シンガポールの4都市に地域本部を設置し、グローバルな人材の採用と育成を本格的に稼働している。
また、東京本部では外国人社員の比率を上げ、異文化を持つ人材と共同で仕事に取り組む環境をつくり、グローバル化に乗り出している。
このように、われわれのグローバル化は着実に進んでいる。
次にわれわれは「服のビジネスを通し、世界で貢献する企業」になりたいと考えている。
そして「企業の精神そのものを買ってもらい、企業として永続的に支持される」ことを目指している。これは事業そのものと同等に重要なことだ。とくにグローバル企業化を図っていく中ではもっとも重要なことだと考えている。
その一環としてさまざまなCSR活動を展開しているので以下に列挙したい。
・Clothes for Smiles プロジェクト
・ユニクロ復興応援プロジェクト
・全商品リサイクル
・ソーシャルビジネス
・障がい者雇用
・生産工場における労働環境モニタリングと環境保全活動
たとえば、バングラデッシュでは、服の企画・生産・販売を一貫して行うソーシャルビジネスを確立した。2013年7月には「グラミンユニクロ」の1号店をダッカに開業。現在は、4店舗を展開するに至っている。
ソーシャルビジネスとは、貧困、衛生、ジェンダー、教育などの社会的課題を、ビジネスを通じて解決し、一人ひとりが自立し、自分で稼げるようにすることだ。その収益は、全額ソーシャルビジネスに再投資する。
ファーストリテイリングは、2011年にグラミン銀行との共同でバングラデッシュにおいてソーシャルビジネスを立ち上げ、服の企画・生産・販売まで一貫したビジネスの仕組みを確立した。商品の販売価格は、バングラデッシュの人々が無理なく買えるレベル。商品は地元のニーズにあったものにしている。
ソーシャルビジネスを開始することで世界中でより良い生活に貢献できるものと信じている。
以上、述べてきたように現在、ファーストリテイリングが目指していることは以下の7つだ。
① ユニクロを真のグローバルブランドにする
② 海外ユニクロ事業をグループ成長の柱にすること
③ 「LIFE WEAR(ライフウエア)」を服の新しいカテゴリーにすること
④ 国内ユニクロ事業の安定成長を継続させること
⑤ 第2の事業の柱であるジーユーのビジネスの拡大を続けること
⑥ ファーストリテイリングをグローバルカンパニーにし、傘下のブランドをグローバルブランドにすること
⑦ 服のビジネスを通し、世界中でより良い、より豊かな生活に貢献できる企業になること
なお、2014年8月期の予想は売上高は1兆3300億円(対前期比16.4%増)、営業利益1560億円(同17.4%増)、当期純利益920億円(同1.8%増)とした。
最後にわれわれファーストリテイリングのステートメントは、「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というものであることを再度伝えておきたい。