国外出張に行く時には、体調を万全に整えてから向かうことが当然だと考えてきた。
その甲斐あって、“時差ボケ”くらいはあるにせよ、現地で体調がすぐれないという思いをほとんどした経験がない。
ところが今回は違った。
出発前日に肋骨を2本、折ってしまったのだ。
近くのコンビニエンスストアに出張用の道具を購入しようと夜中に自転車で向かった。
併設の広い駐車場を横断するのが近道で、結構なスピードでペダルを漕ぐと、ドーンと何かに乗り上げ、自転車ごと3mほど吹っ飛んだ。
一瞬、真っ白になり、何が起こったのかにわかにはわからなかった。
あたふたしながら確認すると、駐車場に一箇所だけ車止めがあった。「ここに猛スピードで突っ込んだんだ」と事故を検証したところでもう遅い。
見れば、左肘と左膝を擦りむいている。
何よりも、左胸が痛い。
「やったな」と直感した。
自宅に戻って、荷造りもそこそこに、寝床についたのだが、痛くて寝返りが全く打てない。そうこうしているうちに、眠気もなくなり、起きてしまった。
翌朝一番に整形外科に行き、レントゲンを撮ると、案の定、骨折。左側の肋骨2本という診断が下った。
治療方法としては、胸にサポーターを巻いて、痛み止めを飲み続けるしかないという。
「出張を取りやめる必要はない」と言われたことだけが不幸中の幸いだったが、結局、帰国するまでの間、ずっと痛い胸を抱えながら、取材に当たるはめになり、何とも辛い出張となった。
みなさんも、出張前のケガには、お気をつけくださいね。