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日本代表選

 オリンピックであれ、サッカーのワールドカップであれ、野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)であれ、日本人であるからには、常に日本代表を応援する。

 単純に、勝てば嬉しいし、負ければ悔しい。

 しかし、不思議なくらい、勝っても負けても、悔いというものは残らない。

「この個人やチームが日本での厳しい予選を勝ち抜いた最強メンバーであり、これ以上の選手はいない」という確信があるからだ。

 だから、たとえ惨敗したとしても、心地よく諦めもつく。

 

 しかしながら、同じ日本代表でも、諦めがつかないのは、国会議員や党首、大臣、首相などなど政治家の面々だ。

 

 たとえば、昨日の自由民主党の総裁選――。

 国会議員票と党員票の合計で行われた1回目の投票では、1位が石破茂前政調会長で、2位は安倍晋三元首相。決戦投票は国会議員のみの投票で行われ、安倍氏が108票を獲得し、89票だった石破氏を破って、第25代自由民主党総裁の座に就いた。

 自由民主党の党内ルールだから何を言っても始まらないが、大マスコミが“次期首相”と当確を付ける自由民主党総裁がこんなかたちで決まってしまうのは摩訶不思議なことだ。

 何よりも決選投票で党員票を外すという思考がよくわからない。全国に300票ある党員票とは自由民主党の中では、「民意」にもっとも近い。それを外して197票の国会議員票だけで総裁を決めることは、「民意」をちゃんと汲んでいるとは言い難く、日本代表を選ぶ方法としては不完全だ。

 

 また、国会議員にしても、実は市井の中に、国を考え、政策を持ち、実行力のある人々がいるかもしれない。けれども、先立つものがないと出馬すらできず、稀代の逸材が市井に埋もれてしまっている可能性もある。

 

 たとえ大きな失策があったとしても、「これ以上の人物はいない」「あの人のしたことなら仕方ない」と諦め許せる、最強でベストな日本代表としての政治家選びはできないものか?

 

 福島第一原発の後処理、原発廃止、年金、増税、尖閣諸島・竹島問題で揺れる日本国の国民としてとくに思う。