国分グローサーズチェーン(東京都/藤田秀一社長)は、卸大手である国分(東京都/国分(東京都/國分勘兵衛社長)の子会社。コンビニエンスストア(CVS)「コミュニティ・ストア」の経営及び加盟店の経営指導、不動産・店舗設備機器・商品陳列器具の売買及び賃貸を事業内容とする企業だ。
ここ数年、同社が注力しているのは異業種企業との取り組みだ。
記憶に新しいのは2011年11月25日に開業した「京王ストアエクスプレスつつじケ丘店」(東京都調布市)である。
京王ストア(東京都/川瀬明伸社長)とのコラボレーション店舗であり、標準型の「コミュニティ・ストア」に京王ストアが得意とする生鮮食品や総菜、プライベートブランドなどを差し込んだ。食品スーパーとCVSの融合店舗として、話題を集めた。
また、ロイヤルホールディングス(福岡県/菊地唯夫社長:以下、ロイヤル)とはコントラクト事業で協業をスタートさせ、この6月には淀川キリスト教病院(大阪府)内に売店を開業。業績は絶好調であり、当初目標を大きく超え、2倍近い売上高で推移している。ロイヤルとは、首都圏でも同じような店舗の出店が計画されている。
3つめはドラッグストア(DgS)企業との協業である。企業名は明らかにしていないが、すでに近畿圏4社、首都圏1社との取り組みが進行中である。既存のDgS店舗にCVSの品揃えやサービスなどの機能を移植するプラグイン型の店舗になるという。
「何をプラグインするのかと言えば、DgS企業がなかなか開発・調達できないような商品・カテゴリーです。一番は米飯類、次にスイーツ。3番めは同じグループのデリシャス・クック(千葉県)が製造している生野菜サラダやスープ、生春巻き、トルティーヤなどのデリカです」(横山敏貴営業本部長)。
なお、協業DgSチェーン5社のうち1社は調剤薬局チェーンだという。「(調剤薬局は)お客さまの数が限定されることから、当初は逡巡した」(藤田社長)というが、今では誰も見たことがないような新しいフォーマットづくりに旺盛な意欲を見せている。