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素晴らしいパーティ

 昨日は、AJS(オール日本スーパーマーケット協会:大阪府/荒井伸也会長)の50周年記念パーティに参加した。参加者数は実に約900人。東京お台場の「ホテルグランパシフィック LE DAIBA」には会員企業、賛助会員企業のトップや家族、取引先、行政、団体など多くの方面から実に多くの人たちが集まった。

 1962年――。ウォルマートが創業した年に、日本で産声を上げた“知恵の共同仕入れ”の集団、AJSは、ボランタリーチェーンとも共同仕入れ機構とも違う機能と形態を持ち、流通業界内では異彩を放ってきた。

 おめでとうございます。

 一般的に、周年記念パーティと言えば、個性の打ち出しようがなく、どこも同じようなものになってしまうこと必至だ。

 主催者が挨拶し、数人の来賓が次々と挨拶し、長時間費やした挙句に、乾杯があって、だらだらと懇談や名刺交換をしながら、中締め解散――と流れていくものだ。

 実は、このパーティについても、50周年記念ではあるけれども有態のものだろう、と高をくくっていた。ところが随分と様子が違うので逆に感激した。

 3部構成のパーティの企画コンセプトは『楽・交・団』(~楽しむ! 交流する! 団結する!)。

 第1部(30分)では、生演奏のギターをバックに、これまでのAJSの活動のVTRが流され紹介された。

 荒井会長の短い挨拶のあとは、即、50周年記念論文「スーパーマーケットと私」の表彰式に移った。

 会員企業、賛助会員からの応募総数47作品の中から選ばれたのは、大越鉄夫さん(かましん)、佐藤成樹さん(マルダイ)、小林貢眞奈美さん(ヤマナカ)の3人。「業界28年の経験」、「震災経験とスーパーマーケットの社会的役割」、「独自の接客とコミュニケーション」と内容は全く違う3論文ながら、壇上の3人は3様に顔を紅潮させ、ホントに嬉しそうであり、自信に満ち溢れていた。

 こういう記念すべき場で、流通業界を支える方々が表彰されていると、私までがうれしくなる。

 第2部(60分)はバイキング形式のパーティだ。

 舞台の正面が2つに割れたと思ったら、その向こう側にはパーティ会場がある、という映画『十戒』や映画『大魔神』さながら、これもなかなか気の利いた演出だ。

 参加者は歩いて、隣のパーティ会場に移動する。その際に、5角形のパーティプレートを渡されたのでよく見ると、ちょっとしたつまみのほか、おちょこが乗っており中にはすでに乾杯用の日本酒が注がれていた。

 乾杯の発声に合わせて、ビールの栓を抜き、互いに注ぎ合うという手間が省けて効率的だった。

 そのまま、伊藤雅俊味の素社長の乾杯の挨拶、乾杯と続き、60分の会食タイムのスタートが切られた。この60分という時間も長くなく、短くなくまたいい。

 パーティ会場の舞台では、次々とアトラクションが進められ、見ていても見ていなくても楽しめた。

 そして、再び最初の会場に戻って、第3部(30分)は、50周年記念川柳の優秀賞を獲得した角田まり子さん(スーパーアルプス)、五十嵐奈美子さん(かましん)、米山裕治さん(とりせん)、小林幸夫さん(マツヤ)、佐々木隆一さん(よねや商事)の5人と最優秀賞に輝いた山田博さん(アンド栄光)、近藤真紀さん(キョーエイ)、米山裕治(とりせん)の3人の作品紹介と表彰式――。ここでもスポットライトを浴びたのは、身体を張って流通業界を支えている人たちだ。

 こういう大事な場でしっかりと称えることは、本人や周囲の従業員のモチベーションアップを喚起し、それがひいては企業、流通業界の活性化や隆盛につながると確信した。

 最後に副会長4人が登壇し、関西スーパーマーケット(兵庫県)の井上保社長が挨拶し、宴たけなわのまま、シャンと散会を迎えた。

 始めに書いたように、こういうパーティというと紋切り型のものが少なくなく、どこに行っても同じようなことが多いけれども、AJSの50周年記念は、過去の“知恵”を結集させた、素晴らしいパーティだった。