『チェーンストアエイジ』誌2012年5月15日号では、「オムニチャネルリテーリング」という特集を組んでいる。
「オムニチャネル」は新しい概念である。
長く小売業の顧客との接点は基本的に1対1の「シングルチャネル」だった。ここにカタログ通販やTV通販などが付加され、「マルチチャネル」へと変遷。さらに、ネットで買った商品の店頭での受取や返品などチャネル横断のサービス誕生し、「クロスチャネル」へと進化した。
そのさらなる発展形が「オムニチャネル」だ。
「オムニ」とは、「すべて、なにもかも」を意味し、「店舗」「ネット通販」「カタログ通販」「携帯・スマートフォン」などのチャネルを横断的にシームレス(縫い目なし)に結び、商品、顧客(購買管理)、販促管理を行うというものだ。
「オムニチャネルリテーリング」特集は、ネットなのか実店舗なのかを意識することなく買物ができる時代が来つつあるので、小売業側はその仕組みの構築を検討してみよう、という小誌からのメッセージだった。
そんな矢先にカインズ(群馬県/土屋裕雅社長)の最新店舗「カインズホーム東松山高坂店」(埼玉県)を訪れると、オムニチャネルの片鱗を垣間見せるような取り組みがすでになされており、大変驚いた。
肉眼では見えないバーコードが刷り込まれているチラシやPOPにスマートフォンをかざすと、その商品に関するTVCMが流れ、セールスポイントなどを説明してくれるというものだ。
お客は、事前に指定のアプリケーションをインストールして、立ち上げる必要があるが、1人当たりの守備面積が広く、なかなか従業員からスピーディに的確な商品説明を受けにくいホームセンターの店舗では、便利この上ないサービスと言える。
そして、日本の物販小売業にも「オムニチャネル」の波が確実に到来している、と実感させられた。
※昨日は、急な出張のためBLOGを更新できませんでした。申し訳ありません。また、次の出張のため、6月23日から26日までの4日間、BLOGをアップできません。次回の更新は6月27日になります。よろしくお願いいたします。