「アメリカの今は、日本の10年後」という見方がある。流通先進国の米国は、日本の10年先を走っているという意味になる。
百貨店やゼネラルマーチャンダイズストアが衰退業態になり、業態内の寡占化が進み、競争がボーダーレス化する…など確かに思い当たる節は多い。
そして、食品スーパー業界もなにやら米国を追従しているような感じになってきた。
たとえば、米国2位の流通業クローガーの傘下には、クローガーのほか、ラルフス、フード4レス、フライズ、フレッドマイヤーなどかつて“地域の雄”として輝きを見せてきた企業が名を連ねている。
セーフウェイ傘下にはセーフウェイ、ドミニクス、ボンズ、パビリオンズ…。スーパーバリュ傘下には、アルバートソンズ、ジュエルオスコ、ラッキーなど。
その姿を日本の食品スーパーに当てはめれば、ラルズ、福原、ふじ、ユニバース、ジョイスなどの連合「アークス」であるし、各地域の有力スーパーを結集してきた「マックスバリュ」グループである。
びっくりするような合従連衡も米国の歴史と照合していけば、実は、“いつか来た道”であったりするのである。
(『チェーンストアエイジ』誌2012年6月15日号)