最近、老齢者に対して、差別的感情を抱いてしまう人が多いらしい。
《やる気のない雰囲気》《くたびれた風貌》《臭気》《スローな歩様》…見ていると自分の元気が奪われているようで何もかもが嫌になるというのだ。
平日昼下がりの都バスなどに乗れば、座席は老齢者で埋め尽くされており、確かにそんな雰囲気がないわけではない。別世界に送り込まれたような違和感は否めない。
しかし本来は、儒教の精神に則るまでもなく、年長者に対しては敬意を表さなければいけない。そんなことは誰もが分かっているはずだ。
けれども、そうならない人たちも実在するのである。
新しいことは何もかも正しく素敵だ、という使い捨て文化の中で育ったことによる負の影響が出ているのかもしれない。
ただ、我々も今の老齢者と必ず同じ道を歩む。その人たちにしたことは、立場が変われば、やがてはされることだ。
どんな理由があるにせよ、老齢者差別は、もってのほかであり、もっと大事にしなければと心底思うのである。