京都を代表する飲食店チェーンのひとつ「餃子の王将」。手軽に中華料理が楽しめるとあり、会社員、学生、ファミリーなど老若男女を問わず、幅広い層の人気を獲得している。店舗網は北海道から九州まで広がっているが、今回はその原点とも言える1号店へ足を運び、食事をした。
「一号店」と記された暖簾
阪急電鉄京都線「大宮」駅から徒歩2分の場所に立地するのが「餃子の王将 四条大宮店」(京都市中京区)。1967年12月24日に開業した、王将の1号店である。2023年3月31日現在、北は北海道から南は九州まで日本国内に730店舗あるが、王将の歴史はここが起点となった。
とはいえ創業店は建て替えられており、われわれが利用できるのは2009年に新装オープンした四条大宮店だ。1階はカウンター席、2、3階はテーブル席で、店内は明るく、老若男女問わず幅広い人が楽しく飲食できる。
実は以前の店は、映画館の一角にあり、やや薄暗い印象だった。お客は男性が中心で、若い女性が利用している姿はあまり見なかった。そういえば当時は24時間営業だったな。かつてを思うと、数々の改革を経て、今の餃子の王将があるのだと感じる。
コロナ禍では、飲食店は大きな打撃を受けた。その中でも、運営元である王将フードサービスの2023年3月期連結業績は過去最高の売上高を記録。さらに今期に入っても好調を続けるのは、経営トップの効果的な打ち手によるものであろう。
さて私が立っているのは、四条大宮店の前である。入口には「餃子の王将 四条大宮一号店」と記された暖簾がかかっている。建物には「創業昭和四十二年十二月二十四日 餃子の王将 発祥の地」の文字が彫られたプレートも見える。「ここが原点だ」と言わんばかりのプライドを感じる。
足を運んだのは土曜日。混雑を避けるため、昼時までは少し早い午前11時20分ごろに入店した。待つことなくカウンター席を案内されたが、それでもすでに多くの先客が食事をしていた。
席につき、早速、メニューを開く。1号店に来たのだから、今回は注文する料理も厳選したい。
まずは看板である餃子、そしてビール。まだ昼間だが、土曜日なのでこの2つを注文、昼飲みをすることは事前に決めていた。あとはせっかくだからと少し変わった料理を一品、さらに定番メニューも頼んだ。
おいしさで餃子が止まらない
料理を待つ間、店内を観察した。
座ったカウンター席のすぐ向こう側は厨房である。昔の様子と比べると、餃子を手包みしていないことに気づく。前は、片隅で地道に餃子をつくる若手従業員の姿が見られたものだ。
現在はセントラルキッチンを活用、加工した餃子をチルドの温度帯で各店へ運び、焼いている。これにより従業員の作業時間を大きく低減、さらに味や形が標準化されるなどの効果をもたらした。王将は、店舗の運営面でも進化しているのだ。
と考えているところに餃子が到着。お、いい感じに焼けているではないか。これを王将の総本山で食べようとしているのだと考えると、うれしい気持ちになる。箸で1個を持ち上げ、少々のラー油を入れたタレにつけ、いただく。おいしい!続けて2個目、そして3個目と止まらなくなった。
次に、目の前に置かれたのは「リッチロースハムとニラ玉の贅沢炒め」。某食品メーカーと共同開発した商品という。前期は全店売上高が1000億円を超えたこともあり、外部企業とのタイアップも可能になってきているのだろう。
そして来ました!「餃子の王将ラーメン」。1人前は量が多いので、料理のボリュームを抑えた「ジャストサイズ」にしたのだ。この「ジャストサイズ」を考えた人は天才である。少しずついろいろ食べたいという需要に応えたものだが、ビジネス的にも単価アップに貢献しているはずだ。
それにしてもビールがおいしいこと。王将の中華料理との相性は抜群である。
料理をすべて食べ切る。もうお腹がいっぱいだ。入口の方を振り返ると、行列ができている。皆さんをお待たせするのは心苦しいので、そろそろ帰るとする。あぁ、大変満足である。ビールを飲んでいるのでフラフラになりながら私は帰路についた。
なお四条大宮店は昼、夕方には混むので、少し時間をずらして利用することをおすすめする。