以下では「ユニクロ銀座店」の開業に際してのオープニング記者会見(@「ユニクロ銀座店」 3月15日)での柳井社長の発言を記したい(談:文責・千田直哉)。
「ニューヨーク5番街店のオープンの時に『“アメリカンドリーム”が実現した』と言った。日本の銀座は、それと同じで、いわば“ジャパニーズドリーム”の象徴と言っていい。日本を代表する繁華街である銀座で世界最大最新鋭の《グローバル旗艦店》を出店できるのはうれしい限りだ」
「われわれは2001年からグローバルな展開をスタートさせ、欧米ではニューヨーク、パリ、ロンドン、モスクワに出店している。現在、アジア各地では大量出店態勢に入った。台湾、香港を含めたグレーターチャイナ、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ…。6月にはフィリピンに初出店する。またインドネシアやオーストラリアにも可能な限り早く出店したい。近い将来にはインドにも出たい。去年は、台湾、韓国にもグローバル旗艦店を出店しているが、この2つの国と地域では、グローバル競争が始まったばかりであり先手を打つ意味からだ」
「今後10年間でいまの欧米の中産階級約8億人に加えて、アジアを中心にこの2倍に当たる10数億人の中産階級が誕生すると考えている。われわれのような個人消費に関する事業を展開している企業にとっては“ゴールドラッシュ”といっていいだろう。いままでの欧米中心の消費社会にアジアが加わって、アジア中心の消費社会に変化していく。新たなグローバル経済が出現したのだ。今後はアジアの中の日本、世界の中の日本への出店というように日本の位置付けは変わっていくはずだ」
「残念ながら、老齢化や少子化、政治や行政の低迷・行き詰まりで日本国民の多くが閉塞感を感じており、将来の不安を覚えている。しかし、アジアの一員の日本、世界の一員の日本を考えれば、そこには莫大な可能性がある。そのビジネスチャンスの大きさに思わずワクワクしてしまう」
「いままでの1億2000万人の経済から50億人の経済に変わっていく。これまでの40~50倍の経済が出現したのだ。いまアジアでは世界の強豪が集結してビジネスのオリンピックが毎日開かれている。あらゆる業種、あらゆる産業でそうなっている。上海、北京、ソウル、台北、香港、シンガポール、クアラルンプル、バンコク、マニラ、ジャカルタ、東京も含めたアジアの大都市が主戦場になると思う」
「ユニクロは、各国で圧倒的なナンバーワンになりたい。グローバルでもナンバーワンになるためには、まず日本で圧倒的なナンバーワンになることが不可欠。ユニクロ銀座店はその橋頭保と言っていい」