《大阪市の橋下徹市長(42)の早稲田大学時代からの友人で民間人校長として採用された大阪府立和泉高(岸和田市)の中原徹校長が、卒業式の君が代斉唱の際、教職員の口の動きを見て実際に歌っているかを「監視」していたことが13日、分かった。口元チェックに府教育委員会の生野照子教育委員長は「そこまでやらなくても」と異論を唱えたが、橋下市長は「口元を見るのは当たり前だ」と、中原校長を擁護した。》と『日刊スポーツ』紙が報じている。
これが本当の話だとするならば、怖いなあ、と思う。
教職員は、大阪府教育委員会の指示に従わなければいけないのは規則だ。けれども、憲法上は強制されることはない。
それよりも学校長が卒業式において巣立ってゆく学生たちの姿もそこそこに、約60人の教職員の口元を眺めていたという事実である。これはぞっとするほど怖い光景である。
やっていることがまるで子供。それを擁護したと報道された橋下市長も怖い存在だ。
規則に逆らう勢力を徹底的にチェックしつぶしてしまう行為を擁護するというのは、一国の宰相をめざす立場にある人間としてはどうかと疑う。
彼が宰相になった折には、指導者に対する絶対的服従と反対者に対する過酷な弾圧を課すんじゃないかしら、と勘繰ってしまう。
学校とは、そういうものの台頭が起こらないように未然に防ぐための意識を教える場所ではないか?
価値観の異なる他人との違いを認め、話し合うことで解決することを教えるところではないのか?
こうした人物を、人気を目当てで得票マシーンとして持ち上げる政党もあるから、これまた怖い。
私たちは、何が本物であり、何が偽物であるかを見分けるだけの目を持ちたい。
と余りの怖さに興奮してしまった。